※※第131話:Make Love(&Sex aid).5
結局、“ガチでゲイのお友達”が欲しいんだなってことは判明したのだけど、それ以上はわからず仕舞いで放課後となった。
「こけしちゃん!わたし帰り道で、可愛い猫ちゃん探してくからね!」
「いるかなぁぁ?可愛いネコちゃぁん。」
……もう、意味違っていてもなにげに通じてるから困るよ。
「いたら連れて帰んのか?」
「あっ!それは、どうしましょう?」
もはや内心楽しんでいる薔と、慌てたナナは手を繋いで帰っていきまして。
「こけしさん、どうするの?三咲さんすっごい勘違いしてるよ?」
「あのねぇ、羚亜くぅん、愛が深まればそれでいいのよぉぉ?」
「あ、なるほど!」
「羚亜くんたら可愛い〜!」
こちらもなんだかんだで盛り上がったようだ。
そのなかで、
「ほんとはねぇ、一番ほしいものはぁ、恥ずかしくて言えないんだぁぁ。」
と、赤いほっぺでこけしちゃんが言ったんです。
「え〜、気になるう!」
「教えてよ!」
「だからぁぁ、恥ずかしくて言えないんだぁぁ。」
愛羅と羚亜は食いついたが、こけしちゃんはとうとう教えてはくれませんでした。
…――“ガチでゲイのお友達”より、恥ずかしいものっていったい何だ?
――――――――…
「猫ちゃんいませんねぇ…」
帰り道にて、ナナはキョロキョロしておった。
「でもいても、うちには可愛い花子ちゃんがいるんで連れて帰れないですもんねぇ…」
そして、悩む。
「そうだな、」
隣にて薔は、笑いを堪えていた。
「あれ?どうなさったんですか?」
ナナはキョトンと、彼を見て、
ふわっ…
ふと、彼女の頬にゆびの背で触れると、薔は言ったんです。
「可愛い猫ならここにいんぞ…」
ぴくんっ…
躰は否応なしに、反応してしまった。
「わたし、猫…なんですか?」
ナナは何とか、尋ねる。
「まぁ、こいつを可愛く鳴かせられんのは俺しかいねぇが、」
クスッと笑って、薔はゆびを離した。
残る、やさしい感触。
そっと触れられただけなのに、頬は瞬時に熱くなる。
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