※※第130話:Make Love(&Make Love!).5
(結局理由は、わからず仕舞いだったな…)
だいぶ腑に落ちない醐留権と、感動の余韻に未だ浸るこけしちゃんは、グッズ売り場でいろいろ見ておりました。
(私も毎週木曜日、予約でもしておこうか…)
などと、醐留権が思案していると、
「ゾーラ先生ぇ、何か買うぅ?ゴルゴンゾーラのグッズぅぅ。」
こけしちゃんがニコニコと、尋ねてきました。
「せっかくの記念に、何かお揃いのものでも買っていこうか、」
「うんぅぅっ。」
と言いますことで、パンフレットといくつかのグッズをこけしちゃんにと、キーホルダーは2つ、醐留権は購入することにしたんです。
お会計の際、
(…………あれ?)
スタッフのお兄ちゃんは、キーホルダーと購入者を見比べてみた。
(むしろこの人のキーホルダーだぁあ!)
醐留権のもう勘弁してくれも、最高潮でございます!
――――――――…
ショッピングの後は、オシャレなイタリアンレストランで昼食にしたりして、春めく街中を寄り添って歩いたりした。
そのなかで、
「あのぅ、薔…、」
「ん?」
ナナはだいぶ照れてしまったが、ちゃんと伝えてみた。
「わたし、泣かされてばっかじゃないですよ?」
ってね。
だんだんと、これからもっと、暖かくなるであろうな優しい風のなかで、
「だってわたし、薔と一緒にいるのが、いっちばん楽しいし幸せですもん!」
と、ナナは笑って告げたのでした。
「そうか、」
薔は微笑み、
「おんなじだな。」
と、返した。
「え?泣かされてばっかじゃないってとこがですか?」
「俺はいつもおまえに泣かされてんのか?」
……照れ隠しと取っておこう!
…――――あなただけのために笑って、
あなただけのために泣いて、
あなたの愛は甘く絶対的で、
不自由すら最高の自由に変えてしまう。
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