※※第130話:Make Love(&Make Love!).5







 「わぁあ…!お店がいっぱいですっ…!」
 ナナはショッピングモールにて、瞳をキラキラさせていた。

 「やたら可愛い反応してんな、」
 「だってすごいじゃないですか!なんか眩しいですよ!?」
 クスッと笑った薔と、ウッキウキのナナは手を繋いで歩いております。

 「うはぁ!隣が一番眩しかったです!」
 「口説いてんのか?」




 …………はい!

 ナナと薔はまずこちらで、ラブラブショッピングデートを繰り広げちゃう模様なんです!










 「このお洋服かわいいです!」
 さっそくナナは、なんだかガーリーなショップにて、一枚手に取ってみまして、

 「でも全部かわいいですね!」

 はしゃぎながら、彼を見た。



 「おまえが一番かわいい。」

 薔はさらりと、こう返してきた。



 ……きゃあああああ!


 「何てことをおっしゃるんですかーっ!?」
 「今すぐ押し倒しちまいてぇ可愛さだな、」
 「ぎゃあ!」
 ナナはもう、真っ赤っか。



 (すんごいイケメンと真っ赤な女の子が手ぇ繋いでる…、いいなぁ…、どっかで見たことある気もするけど……)
 なにげに、目立っております。






 「欲しいなら買ってやるぞ?」
 「えっ!?わたし、自分のバイト代で買いますよ!」
 「俺の立場を無くす気か?」
 「ぇぇえ!?」

 …ちょっとお久しぶりのふたりっきりデートだから、この機会にめいっぱいイチャついとき!

 あ、いつもか。














 ――――――――…

 「すごいよ…!ゴルゴンゾーラさまがいるよ…!」

 劇場内ではさらに、注目の的となっていた。

 (なぜよりによって四文字も被ってしまったんだろうか…)
 醐留権は若干、俯く。
 カップルシートの隣にて、こけしちゃんはにっこにこ。


 そのとき、

 「ゴッ、ゴルゴンゾーラさまぁぁぁぁあ!?」

 女の子たちの奇声が、響き渡りました。





 もう勘弁してくれという醐留権と、にっこにこ極まりないこけしちゃんがそちらを見ますと、

 「すごいだす!等身大フィギュアでもこうは上手くいかない!」
 「うんうんうん!」
 「おまけにこちら、動いてらっしゃるし!」

 めちゃくちゃ挙動不審な女の子が3人、立っておりました。



 「あああ!でもゴルゴンゾーラさまの連載は2年と4ヶ月だから、著作権は明らかにこちらのかたにあるよ!」
 「まずいねそれ!」
 「でも現実万歳だね!」
 女の子たちは挙動不審なまま、著作権についてまで引っ張り出してくると、

 「あのおかたに教えて差し上げたい!」
 「見たいね、絡み!」
 「絡みってやらしくな〜い!?」

 大声で騒ぎながら真ん中の席へと向かっていきました。





 「…あのお方とは、一体?」
 「なんか気になるぅぅ。」

 ……大丈夫、こけしちゃんはけっこういつも、

 絡み、見れてるから!




 ますます注目されたところで、もうすぐ上映開始、です!

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