※※第162話:Make Love(&Sneaking).92












 「ううう、こんな難しい問題はわからないですよっ…」
 シャープペンシルを握りしめ、問題集とノートと向き合っているナナは今にも泣き出しそうだ。

 「どこがどう難しいんだ?」
 彼女の隣で、かなりムラムラしながらも根気強く薔はお勉強を教えているようで、

 「どこがどう難しいのかわかりましたら、わたくし苦労はいたしません!」
 「わかったところで苦労はすんだろ、おまえの場合。」
 「確かにでございます!さすがは薔ですねーっ!」
 「そういうとこも可愛いぞ?」
 「どっひゃあああああ!」

 早くもイチャイチャ全開のように、思えなくもない。




 …………はい!
 前回もお伝えしましたが、本日はとうとう春休み最終日です!
 しかも、時はすでに昼下がりなのでございます!




 すやすや…

 花子と豆は、寄り添ってお昼寝タイム。





 そして突然、

 「あの、薔っ、」
 「なんだ?」

 ナナにとっては難問についてかと思いきや、彼女はこんなことを尋ねてきたのだ。

 「生チョコ八つ橋、もう一つ食べてもよろしいですか?」






 …――いわゆるお土産についてかいな!




 よって、

 「おい、」

 …………はい?

 彼は堂々と返してきた。

 「その可愛さは、おまえの作戦か?」







 …ぇぇぇぇぇぇえええ!?


 「どどどどどういう意味ですかーっ!?」
 ナナはもう、真っ赤っか。

 「要するに、俺のが先に我慢できなくさせてぇんだろ?」
 「ぇぇえ!?って近い!おカオ!」
 このままいけば、確実に押し倒されちゃいます。



 いい匂いに包まれ、極上の至近距離にも、ナナのドキドキは止まる処を知らなかったのだけど、

 「仕方ねぇな…」


 ちゅっ

 くちづけはそっとで、すぐに離れてしまった薔は彼女のあたまを撫で言ったのでした。

 「場所変えるぞ。」







 えええええ!?
 エッチはしないんですか――――――――――っ!?

 あーっ、ぁーっ…(※素直なこころの叫びのエコー)








 「その前にこれ食っとけ。」
 「あっ、ありがとうございます!」

 焦らされたナナはさりげなく、生チョコ八つ橋を食べることができた模様で、

 “ウフフ、お留守番ならお任せください…”

 目を覚ましていた花子が見守るなか(※豆は終始熟睡中)、ふたりは手を繋いでとある場所へと向かったのでした。

[ 510/540 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る