※※第161話:Make Love(&Licentious).91
「ゾーラ先生ぇ、」
「なんだい?」
ふたりっきりになれてから、にっこにこのこけしちゃんは彼へと尋ねました。
「お風呂入るぅ?薔くぅんとぉぉ。」
…――――やはりそうきたか!
予想通りの質問に、またしても醐留権の眼鏡は跳ね上がりそうになったのだけど、
「既に三咲と一緒に、入っているのではないか?」
だいぶ的確に返してみる。
「あぁぁ、そうかぁぁ、」
すんなり納得したこけしちゃんが、残念がったのも束の間か、
きゅっ…
不意に、彼は手を重ねてきた。
こけしちゃんの心臓は、すぐさま跳ねて、
「それより悠香、」
笑った醐留権は、ひどく近くで確かめたのだった。
「ご褒美とは、どんなものが欲しいんだい?」
――――――――…
「ろっ…、露天風呂は、やっぱり、きれい…ですね…」
ドッキドキのナナは、控えめに言葉にしてみる。
「おまえがか?」
ツッ――…
すぐ後ろから、薔は人差し指で項を撫でてきて、
「あ…っ、」
ぶるりとふるえたナナは思わず小さく声を上げ。
ぎゅっ…
すでに洗いっこを終えているふたりは、浴槽にてナナが後ろから抱きしめられている状態でかなり密着しております。
ふと、
「こっち向いて?」
「は、はい…」
耳もとで吹き掛けられたナナは、おもむろに彼と向き合う。
濡れた髪から、時折滴る雫が何とも色っぽくて。
チュ――…
しなやかに彼女の髪を撫でてから、薔はナナへとくちづけると、
「ここ、」
今度は、自分の髪を耳へとかけ、妖しく誘った。
「噛んでいいぞ?」
「だ…っ、ダメですよ…」
誘惑にやられてしまいそうなナナは、それでも躊躇う。
ぐいっ…
すると少し強引に、引き寄せられてしまい、
「いいから、はやく…」
いやらしい囁きに、どうやっても従うしか道はありませんでした。
ちゅ…
ふるえるくちびるで、そっと左の耳へとキスを。
「は……」
微かな息を零し、薔は彼女の腰を抱く。
「ん…っ、」
ちゅっ…はむっ…
気づいてみるとナナ自身も限界だったのか、夢中になって彼の耳へキスをしたり舐めたり甘く噛んだりしていて、
…ッ…かぷっ…
そうっと、牙を立てれば血液は鮮やかに滴り、
「……っ、」
躰をふるわせた薔のゆびは、やわらかな肌へとやさしく食い込んだ。
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