※※第161話:Make Love(&Licentious).91







 時間通りにどのカップルも欠けることなく着物の返却に集合したため、私服に戻ってからは円山公園へと向かいました。


 「おおおっ…!すごいです…!」
 圧巻のしだれ桜にナナさん大感動。


 「ナナちゃぁん、桜の木の下にはねぇぇ、死体が埋まってるらしいよぉぉ?」
 「えぇえ!?ひぇえええ!」
 こけしちゃんはそんな親友を、からかって楽しんだりしている(特権の乱用か?)。


 「そうなんですかぁ!?」

 むぎゅうっ…

 結果的に、怖がりなナナは隣の彼氏へと強く抱きついたため、

 桜葉、よくやった

 と視線で薔は言っていた。


 めっそもないぃ

 さっそくこけしちゃんはニコニコと、京都弁にて視線で返したのだった。





 この後、こけしちゃんの粋な計らいによりナナは薔にかなりくっついたまんまとなって、バスに乗り込んだ一行は銀閣寺へと向かったんだとさ。















 ――――――――…

 銀閣寺はなぜ銀色ではないのかという疑問を、最も抱きそうなのはヒロインでございます。
 しかし、2日目にして金色の金閣寺を訪れる予定のナナはそういった疑問を特に抱くこともなく、静かな佇まいに心落ち着かせるなかでも彼氏にかなりくっついたまんま銀閣寺を堪能してまいりました。
 溢れんばかりの侘び寂びにつきましても、ゾーラ先生から説明を受けたナナさんは“わさび”のことだと勘違いしております。





 さあ!

 そしていよいよやってまいりましたは、

 宿泊する宿でございますよ!




 いかにも高級そうなこちらは、醐留権のグループと縁のある旅館のようで、

 「今回はきちんと、三部屋予約を取っておいたよ。」
 「当たり前だ。」

 部屋割りはどうやら、カップルごとの様子です。
 若干一名、男は男部屋をちょぉっとだけ希望しているかもしれませんが。





 「おっきい旅館ですね!」
 「おい、まだおっきいとか言うな。」
 「ぎゃほう!」
 彼の返しに、ずっとくっついていたナナは真っ赤となり、

 「ゾーラ先生ぇ、あとでご褒美ほしいなぁぁ。」
 「何のご褒美だい?」
 粋な計らいについてのご褒美を、こけしちゃんは醐留権へと強請り、

 「愛羅さん、ここね、部屋に露天風呂付きらしいよ…」
 「ほんとお!?」
 羚亜は愛羅へと、こっそり耳打ちしたのでした。

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