※※第161話:Make Love(&Licentious).91







 じぃぃぃっ

 こけしちゃんはニコニコと、力強く走ってゆく人力車を眺めていた。

 「乗りたいのかい?」
 と、隣より醐留権が笑って尋ねたところ、

 「乗るのはゾーラ先生ぇかなぁぁ、」

 じつににっこにこと桜色のほっぺをして、こけしちゃんは返してきたのだ。

 「教師×人力車のお兄さぁんもぉ、萌えるなぁぁって思ってぇぇ。」







 …――――どういう事だい!?


 わりとピッタリフィットな醐留権の眼鏡は、若干跳ね上がりそうになった。


 「さ、桜葉はやはり、さすがと言うべきか、」
 「情緒よねぇぇ。」
 感心するゾーラ先生に、腐的な妄想をおっ始めたいこけしちゃん。
 なんつうやりとりではございますけれど、ふたりは仲良く手を繋いで歩いておりますよ。
















 ――――――――…

 「羚亜くん、美人になれる水だって!」
 八坂神社にて、愛羅は美容水へと食いついた。

 スマホで検索してみたところ、数滴肌につければたちまち美人に…!?といった内容を発見したがための食いつきようだったのだけど、

 「そんなの必要ないじゃん。」

 羚亜は珍しくか、ちょっと不機嫌となり彼女の手を引き歩きだしたのだ。



 「え〜、羚亜くんはあたしに美人になってほしくないの?」
 愛羅がいささか、憤慨し始めると、

 「だって、心配だもん、」

 照れながら、羚亜は言いました。

 「それ以上美人になったら、愛羅さん今よりモテちゃいそうで…俺、やだよ。」








 「羚亜くんっ…!」
 よって、愛羅の憤慨はたちまちどこへやら。

 「ここが神社じゃなかったらチューしてるのに!」
 「せめて宿に着いてからにしてよ!」
 とたんにイチャこきだすふたりはまさしく、バカップル全開でございます。








 それぞれに、ふたりっきりの時間を存分に満喫しているようですね。

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