※※第161話:Make Love(&Licentious).91







 楽しくランチを済ませてからは、ラブラブまったり散策ですね。



 「あっ、これ可愛いです!」
 みやげの和雑貨をいろいろと手に取って眺めながら、ナナははしゃいでいる。
 「ほしいのか?」
 と、隣の薔も一緒に見ておりますのは、彼女が手にしているブローチでございます。

 そんななか、

 「うーん…、でも、わたしは薔とお揃いのものがいいです!」
 ナナは彼とお揃いにできるものを吟味し始めた。

 とは言っても、こちらちりめんで作られたお花がモチーフのアクセサリーショップなのですが、

 「ああっ!これがいいですよ!」

 選び倒したナナさんは、ピンク色で桜の花がモチーフのイヤリングを手に取った。


 そして、ふと、薔へと尋ねてみました。

 「そう言えば、薔はぴあすとかいうのはもう付けなくていいんですか?」

 と。




 今では彼の耳に開いていた穴は、すでにきれいに塞がっていることもあったが故の質問だったのだけど、

 「あぁ、あれは荒れてた時やけくそになって開けちまったやつだからな、もう要らねぇんだ、」

 過去と現在に思いを馳せ、自分の耳に触れた薔ははっきりと返してきた。

 「今はおまえがいるから…このままだと何れ後悔するって思ったんだよ。」










 「そ…、そうだったんですか…」
 さりげなく示されたその言葉の深い意味には気づくこともなく、何だかナナは彼の過去を想い切なくなる。

 すると薔は、その様子にクスッと笑うと、

 「おまえが噛むのは全然構わねぇぞ?」

 かなり彼女へと近づき、誰にも聞こえないような声でそう告げてきた。







 ……ドキッ

 と心臓が跳ねた後には、彼は何事もなかったかのようにナナの手からイヤリングをそっと奪い取っていて、

 「さすがにこれは似合わねぇだろ。」

 笑う。




 「いえ!とっても似合うと思います!」
 「おまえには似合うけどな?」
 「薔にも似合いますよ、かわいいですもん!」

 これは言うまでもないかもしれませんが、終始ふたりっきりワールド全開でございますね。

 しかし、きっと夜は妖しく濡れてやってきますよ!

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