※※第160話:Make Love(&Insert).90






 「いっ、いいです…して…」
 ナナは振り絞って、返す。

 「ダメっつったのはおまえだろーが、」
 ところが薔は意地悪く笑って、手を離してしまい、

 「……っ、う…っ、」

 このままだと躰も離されてしまいそうだと焦ったナナさんは、

 ぽちっ

 自らリモコンでザザえもんを停止していた。
 と言いますことは、無事エッチ解禁だということにお気づきだろうか?




 「まだ途中だったろ、」
 それでも薔は本音を引き出すかのよう、大胆不敵に誘って、

 「いいんです…っ、」

 ぎゅっ…

 と彼に抱きついたナナは、素直に言っちゃいました。

 「薔とエッチなこと、したいです……」









 「へえ…、よく言えたな?」
 妖しく微笑んだ薔は、両手で頬へと触れてくる。

 「あ……」
 キスしてほしい…ナナはつよくそう願う。

 すると彼は、

 「キスして欲しそうな顔しやがって…」

 そっと、吐息でキスをしてきた。




 「は…っ、」
 このままくちびるも触れあうかと、ナナは期待にふるえたのだけど、

 「おまえ知ってるか?」

 両手は離されていってしまいました。

 「今夜は満月だぞ?」















 シャッ――――…

 明かりを消して、カーテンを開ければ、月の光とネオンたちが部屋を幻想的に照らし出す。

 「おわぁ、ほんとですね…きれいです…」
 窓越しに、夜空を見上げたナナは、

 きゅっ…

 不意に右手を取られ、窓へと当てられていた。



 「あ…のっ、」
 その手には彼の右手が重なり、いやらしく愛撫され、

 くいっ

 「おまえにも映ってる…」

 薔は後ろから、左手で顎を持ち上げくちびるをも撫でてくる。



 「あ…っ、」
 ナナは火照って、息は乱れだし、

 「キス…しよっか、」

 持たれた顎はちょっと強引に向きを変えられ、覗き込むようにしてくちづけられた。

 チュ――――…




 「……っん、っ、」
 待ちに待った再びのキスは、いきなりディープに始まって、

 …ッ…くぷっ…

 顎を引かれさらに開いた口内深くへと舌は滑り込む。

 ゆびを、絡められる。





 「は…っ、ん…っ、」
 夢中になって伸ばす舌は舌と触れあい、卑猥な音を聞かせつづけ、

 サラッ…

 やさしく撫でられる髪は揺れて、仄かな月光に艶めいた。

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