※※第160話:Make Love(&Insert).90
さてさて、わんこたちも揃いまして、リビングにてみんなで仲良く鑑賞するDVDはもちろん、
『ザザえもんでございま〜す!』
の映画だよ!
タイトル
“映画ザザえもん ピノ太のすったもんだサーモンだ”
……おそらく韻を踏んでいると思われる。
初鑑賞となるこちらのストーリーは、全人類の鮭化を目論む“すじこ”というボスが率いる悪の組織「鮭の猛遡上」に、ピノ太くん率いるメインキャラたちが勇敢に立ち向かってゆくというお話で、
『あれ?ザザえもん、過去型ロボットなのにさっそく鮭にされちゃってるよ?ほんと情けないなぁ。』
『嬉しそうに笑ってないで、助けておくれよピノ太くーん!』
この内容で映画にしてよかったのかがいささか謎ではある。
「あっ!」
早い段階で、ふとあることに気づいたナナは、
「あのっ、薔っ!」
「なんだよ、」
頬を赤らめ隣の彼へと勢いよく申し出た。
「ザザえもん観ている最中に、エッチなことはしちゃダメですよーっ!?」
ってね。
「ふーん…」
薔はと言えば、特に不機嫌になることもなく余裕の表情で、
…ギッ……
「…さっきのキスで疼いてんのにか?」
ふと、近づいて耳もと囁きました。
ビクッ…
的を射られたうえに触れた吐息が気持ちよくて、ナナの躰は否応なしに反応してしまう。
ところが薔は、すぐにもとの位置へと戻ってしまい、
「えっと、その…」
ナナはもじもじと、彼を見る。
「俺見てどーすんだよ、」
薔はイジワルに、笑っておりまして、
「は、はい…」
彼女はゆっくりと、テレビへと向き直った。
“ウフフ、豆くん、私たちはお部屋で遊びましょ?”
“はーい♪”
わんこたちは尻尾を振りながら、奥へと向かいまして。
ドキドキドキドキ…
言ってしまったことを、撤回したくなる。
きっと本心じゃなかったからだ。
焦らされて、深まってゆく雰囲気のなかで、
『いっそホイル焼きにしてあげようか、それともムニエルがいい?』
『やだよピノ太くーん!おいらを食べないで〜!』
何で内容これだったかな!
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