※※第160話:Make Love(&Insert).90







 「屡薇のやつめっちゃご機嫌だな…」
 「だな…」

 生放送を終えてから、メンバーの皆さんは楽屋にてコソコソしておった。

 「なに〜?」
 「いや、何でもねぇよ…」
 当の屡薇は特にどうということもなく、鼻歌を中断しちゃったりして。

 「いやぁ、何が一番幸せって、飯が美味いことかもしんね。」
 (また出た!捉えようによってはノロケっぽいやつ!)
 メンバーの皆さんを、マイペースに惑わしております。





 「まさか屡薇!」
 隅っこのほうで帰り支度をしていたボーカルくんは、声を張り上げた。

 「おれというものがありながら、彼女できちゃったのかぁ!?」

 ってね。




 ……なにげにファンのみんなの設定気に入ってるんだ…

 屡薇と摩闍以外のメンバーは、こころにて納得。





 「まだ彼女じゃねぇよ?」
 「まだってことはいずれ彼女になるんだろ〜!?この裏切り者〜!」
 「あはは。」
 と、まるでじゃれあうふたりを見ながら、

 「とりあえず、摩闍のためにもこの光景ブログにUPしとくか。」
 「お前ただ楽しんでるだけだよな?」
 「うん。」

 周りはのほほんとしております。


 …仲良しバンドのようで、よろしいことですね。













 と、その頃の真依は、

 「かぁっこいい〜…」

 頬を赤くして、リビングにて録画のMスタ(ごめ〜ん)をかなりエンドレスリピートで鑑賞しておりました。


 「も〜う、仕事じゃなかったらリアルタイムで観れたのに…」
 ちょっと憤慨した真依だったが、

 「うん、やっぱすごく…いい歌…、あたしってやな奴…反省しなきゃだよ……」

 穏やかに、笑った。



 そして、

 「にしてもこのPVの子、実物の雰囲気違いすぎてびっくりしたんだけど…、感謝はしなきゃいけないよね、ほんとありがたい。」
 と、しみじみ呟いた彼女は、

 「やば、マジでかっこいい…!」

 またまたFeaRの部分だけ観ちゃう様子です。


 ……この子意外とヒロインと気が合うかもしれないですね。






 ふと、曲が流れだすなか、真依は大事そうに一枚のチケットを手にしてみると、

 「エヘヘ…」

 それはそれは嬉しそうに、はにかんだのだった。

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