※※第159話:Make Love(&Attachment).89







 「は……んっ、…ん、」
 重なり熱くなったくちびるが、濡れて艶を帯びる。

 廊下で抱きあって、キスを交わしながら、

 バサッ――――…

 薔はジャケットを脱ぎ捨てた。


 そして、

 くいっ…

 壁へと寄りかかるナナの、アウターも脱がせて床へ散らすと、

 「……っ、はぁ…っ、」

 彼はゆっくりと、舌を抜いてくちびるを離してゆきました。


 ツッ――…

 細く糸を引いた唾液。

 「は…っ、あ…っ、」
 それと同じくらい、否それ以上か、ナナの表情も蕩けてしまっている。

 ちゅっ…

 今度はやさしく、くちびるに吸いつくようくちづけてから、

 「キスだけでこんなになって、堪んねぇな…」

 薔は彼女の顎を持って、そっと持ち上げた。

 「俺じゃなきゃこうはなんねぇもんな?」




 「は…っ、」
 まだ吐息でくちづけられているみたいで、息は乱れるばかりで、

 「もっとやらしい姿…いっぱい俺に見せようか、ナナ…」

 髪を撫でながら囁かれ、ナナは下着を濡らすことを止められずにいた。
















 ――――――――…

 言ってしまった!と思ったときには、時すでに遅し。

 「いっ、今のは、なかったということで、」
 と、真依が涙声で慌てて付け足すと、

 「え、ごめん…、俺マジで気づかなかった…」

 照れているのか、口元を片手で押さえた屡薇はソファにゆっくりと腰掛けた。




 「まぁ、気づかれないようにしてましたから。」
 ちょっと得意げに見下ろし、頬を赤く染めたまま真依は返す。

 「いつから好きだったの?」
 「初めてお姉ちゃんが、紹介してくれた時からです。」
 「そうなんだ〜、あん時はまだ俺も真依さんも高校生だったよね?真依さんのがちょっと先輩だけど、」
 「そうですね、」
 いつの間にか屡薇のペースか、真依は好きだという気持ちを自分から自然と肯定していて、

 「その時間をさ、無駄にはできねぇから、俺真依さんのこと真剣に考えるよ、まずは友達からでい?あ、でもすでに友達ではあるよね?」

 と、彼は笑って言ったのだった。

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