※※第157話:Make Love(&Endearment).88






 ちゅっ…

 ディープキスの後にもやさしくくちづけた薔は、そっと髪を撫でてくる。

 「脱がしてもいいな?」





 こくん…

 感じ過ぎちゃってるナナは、火照った顔で小さく頷くのが精一杯で。

 「かわい…」
 すると彼は笑って、またやさしいキスを落として、

 「おまえは俺を脱がせよ…?」

 甘く見つめながら、誘うように引き寄せた。









 バサッ……

 まるで花びらのように、慌てず美しく、散ってゆく衣服たち。


 「はぁ――――――…」

 吐息は部屋を昇り、服を脱がしあいながらキスも交わして。

 ギシッ…

 ベッドはふたりの動きに合わせて軋みます。



 やがて、

 「薔…」
 「ん?」

 一糸纏わぬ姿になれたとき、恥じらいながらも彼の名を呼んだナナは、

 ちゅ…

 背伸びをして自分からくちづけてみた。

 「好き…です……大好き…」

 と。







 「やけに大胆だな…」
 薔は笑って、あたまをよしよししてくる。

 「だって…、ほんとですもん…」
 もじもじと告げたナナは、そのまま彼へとぎゅっと抱きついて、

 「好き……」

 ちゅっ…

 露になったなめらかな肌へ、キスをしてゆく。




 「おまえだって待てなかったんじゃねぇか、」
 笑った薔は、彼女のあたまにくちづけてから後ろへゆっくりと倒れ、

 キスに身を任せた。














 「は…ぁ…っ、」
 上がる吐息に、微かに響く声。


 「…――――――っん、っ、」

 薔が躰をふるわす。

 彼が感じてくれることが、堪らなく嬉しくてナナはキスを何度も落とし、

 「ナナ…」

 ふと、視線を送った薔はちょっとイジワルに微笑みました。

 「欲しいなら俺の血…吸ってもいいぞ?」






 「んええっ…?それはやですよぉっ…」
 瞳を潤ませたナナは、控えめに手を伸ばし、

 「で、でも…」

 頬を染めて正直に言っちゃいました。

 「ここは…、すごく……吸いたい…です…」

 と。



 すると、

 「だったら、俺にもおまえの吸わせろよ…」

 薔はやさしく、彼女の躰の向きを変えさせ、シックスナインと相成った模様です。

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