※※第157話:Make Love(&Endearment).88
「おわーっ!?なぜにこちらにーっ!?」
「いいから来い。」
びっくり仰天と大はしゃぎのナナは、そのままグイグイと腕を引かれ歩き出されてしまい、
ザッ――――――…
「私たちも帰ろうか、桜葉。」
「あれぇぇ?」
「愛羅さん行こっ!」
「やだあ、珍しく羚亜くんが強引!」
こけしちゃんは醐留権が、愛羅は羚亜がきちんと連れ去ってくれました。
呆気に取られていたオトコたちは、呟いた。
「女の子の言う事は今度から信じような…」
「そうだな…」
ベンツに戻ってから、こけしちゃんはにっこにこと言ったのです。
「あぁぁ、ナナちゃぁんだけぇ、本格的に連れ去られた模様ぅぅ。」
と。
「ははは、その通りだね。」
「羚亜くん、今のもう一回やってっ?」
「ぇぇえ?もう車に乗っちゃったけど、」
と言いますことで、こちらの2カップルはドライブへと繰り出したんだとさ。
――――――――…
「ったく、今月に入って二度もナンパされやがって、」
強引に手を引かれて歩いているなか、ナナはずっとドキドキしちゃってて、
「す、すみません…」
小さく、告げる。
すると薔は、
「帰ったら…俺の言う事何でも聞くんだよな?」
流れるような視線を送り、確かめてきたのだ。
「はい…」
夕陽の色ではない赤で頬を染めるナナは、もじもじと応え、
「なら、お仕置きはそん時だな、」
「え…?」
じつは彼はとある場所へと向かっていたのでした。
「俺はもう待てねぇんだよ…」
――――――――…
「桜葉、」
「なぁぁにぃ?」
後部座席で羚亜と愛羅がイチャついているなか、醐留権はこっそりとこけしちゃんに告げた。
「良かったら今夜は、ずっと一緒にいないか?」
瞬く間に真っ赤となったこけしちゃんは、こくぅぅんと頷き、
「ご両親への連絡は、私からしておくから。」
笑った醐留権はやさしくあたまを撫でてくる。
ゾーラ先生もずいぶんと、こけしちゃん家族からの理解を得られているようで(父は除くかも)、
「あたしも羚亜くんのあたま撫でる〜!」
「あっ、じゃあ俺も!」
後ろは終始、バカップル全開なのであった。
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