※※第157話:Make Love(&Endearment).88







 「お腹いっぱいになったね!」
 「しかもほんと安くてぇ、びっくりぃぃ。」
 「でしょっ?良かった!」

 お会計は個別で済ませてお店を出ると、夕陽の赤に街はすっかり染まっておりました。


 乙女たちは歩きながら、バス停へと向かっていて、

 「あとでナナちゃぁんにぃ、プリクラ画像送ってあげるねぇぇ?」
 「ありがとう、こけしちゃん!」

 やり方を知らなかったナナへと、ニコニコのこけしちゃんが提案してくれました。





 そのときだった。

 「これからどこ行くの〜?」

 と、声を掛けられたのは。




 さんにんしてそちらを見ると、二十歳そこそこくらいのオトコ三人組が近寄ってくるところで、

 「女子高生でしょ?君たち可愛いから目立ってるよ?」

 と、笑いながら言ってきたのだ。



 ナンパといち早く悟った愛羅は、

 「すみません、あたしたち皆かっこいい彼氏いるんで他を当たってください。」

 相手を逆撫でしないよう、でもさりげなく自慢を混ぜて断る。


 ところがオトコらは、聞く耳持たぬといった感じで、

 「てか君すごい可愛いね、スタイルもいいし、もしかしてモデルとかやってんの?」
 上から下まで舐め回すように愛羅を見た。





 ゾワゾワァアと、愛羅には悪寒が走り、

 「すみませんが、これから帰るところなんです。」

 頭にきたナナはきっぱりと返した。
 こけしちゃんはなにげにちょぉっと構えている。



 すると、

 「あれ?もしかして妬いちゃった?君も可愛いじゃん。」

 オトコの一人が、ナナへと触れようとしてきたのだ。




 …ああ!よりによって真っ先は三咲さんか(※こけしちゃんの場合はそれ相応に変換を)!

 ふたりの乙女は、いろんな意味で危惧した。





 そしてナナが、思いっきりその手を避けようとした瞬間、

 グイッ――――…!

 強引に腕を掴まれ引っ張られておりました。













 皆が唖然とするなか、とてつもなく険しい雰囲気で薔は言い放った。

 「触んじゃねぇよ、俺のだ。」

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