※※第157話:Make Love(&Endearment).88
「いっぱい歌ったね!」
「楽しかったですね!」
「あたし甘いもの食べたくなっちゃったぁぁ。」
さんにんで歌ったりそれぞれに持ち歌(?)を披露したりして、カラオケタイムを終えた乙女たちは小腹が空いちゃった模様だ。
「あっ!あたしね、この近くでいいお店知ってるんだ!行こっ?」
「行きます!」
「行きますぅぅ。」
そんでもって、アミューズメントパーク併設型のショッピングモールも後にしちゃいまして、
「パンケーキのお店なんだけど、安くて美味しいんだよっ?」
「やったぁぁ。」
「おおお!楽しみです!」
一同は愛羅オススメのお店へと歩いて向かったんだとさ。
――――――――…
「まったく…羚亜のうっかりには参ったよ…」
ベンツの車内にて、醐留権はため息をついた。
ちなみに奏兄さんは、浮かれ気分で本屋浸りです。
「一番参ってんのは俺だぞ?」
「針の筵はやめてよ…」
どう見ても、一番参っているのは羚亜である。
そのときふと、
「そういえば、張り込みで昼食も忘れていたな、すまない。」
特に探偵っぽいこともしなかった醐留権であるが、探偵っぽい台詞で決めてレストランの駐車場へと入った。
「ここは私が奢るよ。」
と。
「やった!」
「俺は早ぇとこ帰りてぇんだが、」
「暮中、遠慮することはない。」
「してねぇよ。」
薔はたいそう不機嫌でございますが羚亜は元気になって、こちら様は遅めの昼食と相成っちゃいました!
「そういえば、あそこのパンケーキのお店が美味しいって愛羅さんが言ってたんだ。」
「羚亜は最近甘いものが特に好きだな。」
「だって美味しいじゃん!」
「………………。」
羚亜が示したそのお店は、道路を挟んで左斜め前にございまして。
世界は広いようでいて、狭かったり、繋がっていたりするものですね。
きっと、いつだって。
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