※※第156話:Make Love(&Whisper).87
ザザえもんによるものではないドキドキのしっぱなしで、DVD鑑賞は終えました。
「あの、」
頬を赤らめているナナは、もじもじと隣を見た。
その瞬間、
ドサッ――――…
ソファへと押し倒されてしまったのだ。
ちゅっ…
驚く間もなく、上になった薔はくちびるを重ねてくる。
「ん……」
ナナは甘い声を漏らす。
“豆くん、私のお部屋に行きましょ?”
“うんっ♪”
お子様にはまだまだ早いと、花子はリモコンでテレビやなんかをきちんと消すと豆を連れてお部屋へと向かいまして。
ちゅっ…ちゅ…
くちびるがやわらかく、触れあってから、
くぷっ…
ゆっくりと、舌を滑り込まされた。
「ん…っ、ん……」
絡められてゆく、舌が舌に。
ぎゅ…
思わずしがみつけば、その手を艶かしく撫でられ、
じゅっ…くちゅっ…
「んぅ……ん、……っん、」
吸いつくみたいに、舌が深く入れられる。
くちゅっ…ちゅくっ…
そして口内を這いエロティックな音を立て、窒息を誘い出すかのごとくキスは濃く、撫でる髪は乱される。
きゅっ…
ゆびの間を伝ったゆびが、そのままゆびを絡めた。
「は…っん、ん…っ、」
左手に、右手が重なる。
「ん――――――…っ…」
切なくふるえるナナは、躰を反らした。
…ッ…じゅぷっ…
するとまた深く、舌を入れられ。
「……っん、っ、」
思わずきつくゆびを絡める。
濡れゆく下着が、重さを増す。
ビクンッ…
ふるえるつまさきを、ソファへと立て。
時間も呼吸も、忘れてしまいそうだったが、
「……っはぁ…っ、」
ゆっくり、くちびるは離されていきました。
とろぉっ…
融けあった唾液が、糸を引く。
ちゅっ…
薔はまた、やさしくキスを落とすと、
「今さら心の準備なん、可愛い事言いやがって…」
すぐにくちびるが触れあいそうな距離で、吐息のように吹き掛けてきた。
「来いよ…、今日は優しくおまえを抱いてやる…」
「や、優しく…なんですか…?」
ずっと取られていた手を引かれながら、ナナは尋ね、
「優しいのは嫌だったか?」
ちょっと意地悪く笑って、薔は返してくる。
「嫌じゃ…ない、です…、全部…好き……」
俯く彼女は上目遣いに、素直な言葉を振り絞り、
「そういう顔、」
いったんソファに並んで座ると、顎を持ってくちびるを撫で、彼は囁いたのだった。
「ベッドではたくさん見せていいぞ?」
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