※※第156話:Make Love(&Whisper).87
ナナと薔はこの日の昼下がり、とある近場までお出かけしてきたようなんです。
花子と豆のお出迎え有りで、帰宅してから。
「薔っ!」
ナナは元気よく、彼へと申し出た。
「一緒にザザえもんを観ましょう!」
ってね。
つまりはご存知SUTAYA(ごめんはスルーでもいい?)に行ってきたようなんです。
「あぁ、そうだな、」
一緒に観たいようなので、薔は特にご機嫌ななめではございません(やったねザザえもん)。
「まずはどれが観てぇんだ?」
「えっとですね、どれにしましょうか…」
……そんなに借りてきたの?
「あっ!これがいいです!」
瞳を輝かせたナナは、けっこうすぐに初っぱなの一本を彼へと差し出し、
「薔と一緒に映画館に観に行ったので、また薔と一緒に観たいです!」
と、さりげなく口説き文句だが、けっこう声を張り上げた。
すると、
ふわっ…
やさしくあたまを撫でられておりました。
そんでもって、
……ドキッ!
とした彼女に向かって、薔はさらりと言った。
「こいつ観る前に襲ってもいいか?」
……ぇぇぇぇぇええええ!?
「こっ、こここっ、心の準備とやらをしておきますので、観てからではダメなんですかーっ!?」
ナナは真っ赤っかになって、思いついた台詞を返し、
「仕方ねぇな、」
とりあえずはDVD鑑賞と相成りました。
“ふぅ、落ち着く…”
“なになに?なにみるの?”
わんこたちもザザえもんは、一緒に鑑賞しちゃう模様です。
――――――――…
「屡薇さ、今日は煙草の数少なくね?何かいい事あった?」
スタジオにて、ボーカルくんは屡薇へと明るく声を掛けた。
「まぁね、」
屡薇はちょっと、得意げに返す。
「生意気だなお前!何があったんだよ、教えろよ!」
「やーだよ、」
とか、ふたりがじゃれ合っておりますと、
「あ!あのさ、」
メンバーの一人が、今思い出したかのように明かしたのだった。
「おれがお前らのそういう姿ブログにUPしてるから、お前ら付き合ってるんじゃないかってファンの子たち言ってるけど。」
「えええええ!?」
「わお、過激。」
「過激じゃねぇだろ気持ち悪りぃだろ!」
ボーカルくんは青ざめたが、屡薇はあっけらかんとして笑いだした。
「しかも今回さ、ゲイがいるバンドだから男の子使ったとか言われてんだけど、おれのせい?」
「話題性はあっていいんじゃないの?」
「でもそれであの子に迷惑かかんねぇかな…」
「大丈夫じゃねぇの?迷惑ならいつも俺がかけてるし。」
「お前はかけるな!!!!」
「あはは。」
仲良しバンドのようで、よろしいことですが、
迷惑かけてる自覚はあったんだね。
…――これはもう、こけし姉さんはFeaRのファンになるしかないわ!
[ 428/540 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る