※※第145話:Make Love(ClimaxX).80






 さんにん並んで。
 明るくなってゆく彼方を見つめた。


 「うーん、朝日はやっぱり眩しいですねぇ、」
 ナナは眩しさに手を翳し、顔をしかめる。



 すると、

 そっ…

 とゆびの背で、頬を撫でられたのだ。




 …………ドキッ

 として、朝日によるものではない赤でほっぺたを染め、隣を見ると、

 「ここにも映ってる…」

 ずっとナナを見ていた薔は、やさしく微笑んだ。







 ナナの胸はきゅっと、締め付けられて、

 「おまえが一番きれいだから、俺はおまえを見てるよ、」
 まばたきを忘れるほどの瞬間に、薔は彼女を愛おしそうに見つめながら、

 「ナナ、」

 朝日に包まれゆくなか、力強く告げました。

 「何があっても、一緒に生きていこうな。」














 「もちろん花子もな、」
 「ワンッ♪」

 彼は笑って、花子をなでなでして、

 「…………はい。」

 ナナは切ないくらいに嬉しくて、泣きそうな顔して笑って頷いた。



 とたんに、

 ちゅっ…

 キスされちゃいました。



 「あんま可愛い顔すんな、堪んねえ、」










 …………ぼぼぼっ

 「こっこここここっ、ここっ、道路ですよっ…!?」

 沸き上がるかのようなナナはもう、真っ赤っか。
 ちなみに花子も照れております。



 「なら、帰ってたっぷりすっか、」
 頬から滑らせたゆびで、くちびるを撫でてから、薔は彼女の手を取った。

 「行くぞ?」










 「は、はい…」
 ナナは、素直に従います。


 このまま、眠れるはずもなかったし。






 明るくなってゆく、街を。
 寄り添って歩く。





 ふわっ…

 ふと、風に髪がやわらかく吹かれた彼の姿に、見とれてしまったナナさんは、

 「どーした?」
 「なななななんでもないです!」

 慌てて俯いた。


 薔は赤くなった彼女の耳を見て、クスリと笑う。




 “ウフフ♪”と花子も、ゆったり尻尾を振って歩く。

 ナナは終始、ドキドキしておったんだとさ。






 …――――――大丈夫!

 なんてったって今日は、

 日曜日だから!

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