※※第１４４話:Make Love(&Agreeable).79

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　ちゅっ…ちゅ…

　「ん……」

　やさしいキスを何度も交わしながら、服を脱がせてゆく。


　ベッドは時折、軋んで。





　パサッ――――…

　薄明かりのなかで、薔の上半身を纏う衣服はとうとうなくなって、

　ぐいっ…

　ゴクリと息を呑んだナナだったが、すぐさまちょっと強引にくちびるを奪われていた。

　くちゅっ…

　「ん…っ、」









　「は…っ、……ぁ、っ、」

　舌が絡まって、視線も、時に絡まる。

　「はぁっ、ん…っ、」

　心地よい匂いがして、融けあいそうな体温は伝わって。


　ちゅっ…ちゅぷっ…

　「ん…っは、…ふっ、」

　ナナは彼の肩へと、両手を置き、

　ぎゅっ…

　砕けてしまう腰は、片手で抱き寄せられる。


　「ん…っ、ん、はぁ…っん、」

　頬を伝う涙が、そっと拭われるだけでも悦びに身震いして、

　「…――――――ん…っ、」

　抱きあってキスを交わしたまま、ナナが上になるよう、ふたりはベッドへと倒れ込み火照る躰を重ねた。

　ギシッ…











　ちゅくっ…ちゅぱっ…

　「ん…っ、……は、っ、」

　重なるくちびるも、何もかもが狂ったみたいに愛おしくてキスを止められない。

　「は…っ、ぁっ、…っん、」

　だから、泣けてきた。


　「ん…っ、ん……」

　夢中になって絡める舌が、切れてしまいそうなほどに。

　激しく、求めあう。








　「……っん、は…ぁっ、」

　キスで窒息か想いで窒息か、寸前になってゆっくりくちびるを離してゆけば、

　トロォッ…

　唾液はまだ離れたくないと、素直な糸を引かせて。





　ちゅっ…

　薔はもう一度、やさしくくちづけると、

　「ここ…どうなってる？」

　彼女の手を取って、刺された場所へと当てさせた。




　「ちゃんと、確かめたい…です…」
　「…ん、」

　ナナはおもむろに、躰をずらしてゆく。





　「ここ…？」
　「そう…」

　そして薄明かりのなか、なめらかな肌を見つめ、

　「よかったです…、ちゃんと、キレイになってます…」

　そっと、撫でてみた。




　「おまえのおかげだぞ？」
　あたまを撫で、薔は笑う。


　その手つきが、やさしくてちょっといやらしかったから、

　「あの…」
　「ん？」

　恍惚のナナさんは、言っちゃいました。

　「ここにも…キス…、しちゃダメですか…？」









　プッ…

　熱い息を零すくちびるを、親指でそうっと弾いて、

　「ダメなわけねぇだろ？…おいで、」

　薔は彼女を引き寄せた。

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