※※第143話:Make Love(&Sex aid).7






 ドキドキドキドキ…

 抱き返すちからはかなり緩め、恥ずかしくてくすぐったくてナナが鼓動まで熱くするなか、

 「なぁ、ナナ、」

 クスリと笑った薔は、彼女の顎をそっと持ち上げ、親指でくちびるを撫でると言ったんです。

 「可愛く震えてるここに、キス…してもいいか?」










 「は…い…」

 すでに雰囲気にやられてしまっているナナは、ぽおっとして応え、

 「キスだけな?」

 くちびるにくちびるを寄せた彼は、甘くくちづけてきた。

 チュ――――…






 「ん…………」

 うっとりと、声は漏れる。
 やわらかく触れあうくちびるが、リップ音を響かす。

 そうっと撫でられる頬は、火照って、

 「……ん、はぁ…っ、」

 少し開かせたくちびるから、まずは吐息を絡めた。




 舌まで、ふるえる。

 どうしよう、絡めてほしいけれど、そんなこと、言えなくて。


 ぎゅっ…

 「ん…っ、」

 ナナは薔へとしがみついた。

 髪へ、ゆびが伝う。
 しなやかな手つきで。



 「はぁ――――――…」

 微かに、視線を合わせると、ナナの瞳にはじわりと涙が滲んで、

 「これだけで泣くのかよ…」
 「……っっ、だってぇ…っ、」

 ゆっくり、くちびるは離されてしまう。




 このまま、舌すら絡めてはくれないのだろうか。
 あんなキスをしておいて、あんな風に触れておいて。







 「も…っ、やです…っ、」
 「ん?」

 もどかしさにいてもたってもいられなくなったナナは、ぎゅうっと彼にしがみつくと、

 「もっと…っ、キス…、してください…っ、すごく…エッチなキス…」

 って、おねだりしちゃった!









 「すごくエッチなキスってのは、どんなんだ?」

 抱いてあたまを撫で、焦らすよう薔は確かめてくる。

 「え…えっと…」

 ナナはおもむろに、ちょっとだけ彼から離れ、

 「舌…で、くちゅくちゅ、音、立てたり…」

 もじもじと見上げ、小さく言葉にしていた。




 プッ…

 「あ…っ、」

 薔は顎を持ち、くちびるを親指でそっと弾くと、

 「じゃあ、舌出して…」

 囁き、誘った。






 「は……」

 潤んだ視線で、ナナは素直に従う。



 「やっぱ舌まで震えてんな、」

 くいっ…

 顎はさらに持ち上げられ、

 「絡めてやるから、もっと伸ばせよ?」

 くちゅっ…

 ディープなキスは、始まった。




 「……っん、っ、」

 言われた通りに、無我夢中で舌を伸ばす。

 ぬくっ…ちゅぱっ…

 「は…っ、ん…っ、」

 濡れて、重なるくちびるが、艶を帯びて息を漏らす。

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