※※第143話:Make Love(&Sex aid).7
…――――――Please...
あなたのそば以外、どこにも行けないから、
お願い、どこにも行かないで。
土曜日、屡薇は勝手に“花子と豆が一緒に写ったベストショット”とやらをブログの記事に載せていた。
“昨日のライブは楽しかったね、みんなへのお返しになったかな?”
コロコロ…
傍らにて豆は、ボールを転がし遊んでいる。
“あ、豆と一緒に写ってる子はね、花子ちゃんていうんだ。美人だろ?”
と、勝手に名前まで紹介した屡薇は、
“私のご主人様は今度、FeaRの新曲のPVに出ちゃうかもしれないんだワン♪”
“楽しみだねワン〜♪”
なんと勝手に花子と豆にセリフまで付け、ちゃっかり新曲の宣伝もしちゃったのである。
…うん、わんこだからって、語尾に何でもワンを付ければいいという話ではないよね。
「よし、ちゃんと意味深になってるな。」
内容に満足した屡薇は、ばっちり更新をすると、
「今日も豆は花子ちゃんに遊んでもらえよ?」
「ワン♪」
豆を抱っこし、スタジオへと繰り出すべくいったんお隣に向かったんだとさ。
……あの〜、せめてこのブログ、お隣さんにも教えてあげてよ。
――――――――…
「えええ!?今夜は夕月さんと、ご飯を食べに行くんですかぁ!?」
屡薇に起こされた後です。
ナナはたいそうびっくり仰天でございます。
「あぁ、19時に迎えに来るそうだ。」
今しがた連絡を受けた薔は、彼女にも報告してから朝食の準備へと取りかかった。
「うわわぁ、楽しみですけど緊張しちゃいますね!」
ナナはソファに座ってソワソワしだし、その様子を見ていた薔は、
クスッ…
と笑う。
「♪」
花子と豆は楽しく、リビングにて戯れております。
「あっ!すみません!お手伝いします!」
「ん、」
やがてふたりはキッチンにて、一緒にお料理を開始した。
「ぎゃあ!この体勢で教えてくださるんですかぁ!?」
「あ?」
……どんな体勢だ?
やっぱり本日も、ラブラブのようでございます!
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