※※第142話:Make Love(&Melliferous).78






 ギシッ…

 薄明かりのなか、ベッドが軋む。


 「はぁ……」

 薔のくちびるは、吐息でも触れながら首筋へと伝って、

 「ん…っ、……あっ、」

 ナナはふるえながら、上擦った声を響かす。



 「可愛い声…、もっと俺だけに、聞かせて…」
 肌のうえで、彼は囁き、

 シュルッ…

 制服のリボンはそっと解かれていった。



 ちゅっ…ちゅ…

 「あ…っ、ん、……やっ、」

 少しだけ広がったブラウスのあいだを、ゆびがしなやかに這い、くちびるはやさしい音を聞かせながらやわらかな肌を滑る。



 「あ…っ、はぁ…っ、」
 ナナは彼の愛撫を深奥にまで感じ取りながら、カラダをふるわせて、

 「ゆっくり脱がしてくから…、呼吸もゆっくり、合わせようか…」

 プツッ…

 薔はゆっくり丁寧に、ブラウスのボタンを外し始めた。





 「はぁ――――…」

 見つめあい、艶かしい、熱い呼吸が合わさってゆく。


 彼のゆびは、絶妙なタイミングで微かに肌に触れて欲情をかき立て。



 「吐息で、キスしてるみてぇだな…」
 くちびるが今にも触れあいそうな距離で、薔はふっと囁き、

 「はぁ…っ、あ…っ、」

 ナナはゾクゾクして仕方なかった、やわらかな黒髪も時折肌を撫でるから。




 ファ――――…

 とうとう、ブラウスは左右へと僅かに広がり、

 「もう汗で張り付いてる…」

 ツッ――――…

 濡れた肌を撫でながら、ブラウスがそうっと剥がされてゆく。

 「あ…っ、…ダメ、っ、」
 素肌はおもむろに、露となってゆく。



 「ここもダメか?」
 すでに片手を滑り込ませていた薔は、ブラのホックへ触れて確かめ、

 「……ううんっ…」

 潤んだ瞳で見上げるナナは、首を横に振り素直に言葉にした。

 「ダメ…じゃないっ、です…っ、」







 「ん…、いい子…」

 ちゅっ…

 彼はやさしいキスを、ふるえるくちびるに落とすと、

 「いっぱい可愛がってやるからな?」

 微笑みかけて、難なくホックを外したのだった。

 プツンッ…

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