※※第142話:Make Love(&Melliferous).78







 「嬉しい…ですっ…」

 ナナは思わず、泣いてしまった。

 「その顔も、撮ってやるか?」
 薔は親指でそうっと、彼女の涙を拭い。



 「んええ…っ?泣いてますんでっ、恥ずかしいですよぉ…」
 思いっきり、恥じらうナナ。

 すると、

 「すげえ可愛いから言ってんだけどな…、なら一緒に撮るか、」
 彼はこう誘ってきたため、

 「撮りますーっ!」

 涙はどこへやら、ナナはめっちゃ喜んだ。









 「もっとくっつけよ、」
 「あっ、はい…」

 トロンの最中の花子も一緒に撮って、なんだかこうしているだけでくすぐったいくらいに幸せで、

 「うぎゃ!?くっつきすぎてつい、すごくうう嬉しいとこ触っちゃいました!」

 どうやらナナはまたしても、どさくさに紛れてしまった模様だ。



 「すみませ…っ、」
 頬を赤くして、ちょっとばつが悪そうに彼を見ると、

 (…………あ、)

 視線と視線が、宙で交わっちゃって。





 ドキドキ…

 吸い寄せられるみたいに、くちびるとくちびるは近づくと、

 チュ――――…

 重なっていた。




 「ん…………」

 思わず声が、漏れる。
 舌はまだ絡めない。

 花子はいったんデジカメを預かると、尻尾をフリフリお部屋へと向かいました。




 髪を、撫でられる。
 頬に触れられ躰はふるえる。


 「は……」
 視線は、時に絡めた。

 ディープにしてほしいけれどもう少しこのままでつづけたい、欲張りにさせるキスは甘い匂いで包み込む。


 ちゅ…

 やさしいリップ音。
 くちびるはやわらかく触れあう。


 ぎゅっ…

 シャツを掴めば、片手で腰を抱かれ、

 「舌…欲しいか?」

 ちょっとだけくちびるを離した薔は、髪を撫でながら確かめてきた。

 「は…い…」
 すでにぼおっとしてしまっているナナは、素直に応える。


 「おまえも伸ばせよ?」
 極上の至近距離で、彼はクスッと笑って、

 くちゅ…

 ゆっくり、舌は絡められていきました。















 ――――――――…

 「二時間なんて、あっという間だったねっ、羚亜くん。」

 情事後のシャワーも済ませ、精算を終えた羚亜と愛羅は部屋を後にした。



 「うん、そうだね、」
 羚亜が笑って応えると、

 「でもお、今夜はお泊まりだもんねっ、」

 愛羅は腕を絡めてきた。

 「羚亜くんのお部屋でもエッチしようねっ?」





 …………ぽっ

 頬を赤く染める、羚亜。



 ついにそっちでお泊まりするのか!
 あ、ゾーラ先生はきっと今夜、ホテルにお泊まりだもんね。

[ 239/540 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る