※※第142話:Make Love(&Melliferous).78
いろいろすっ飛ばしちゃった感は否めませんが、
放課後、です!
「あっ、愛羅さん、行こうか…」
「うんっ…!」
どうやら緊張している様子の羚亜と、うっとりんこの愛羅はいつもより大人しめにイチャこきながら帰ってゆきまして。
「それじゃあナナちゃぁん、健闘を祈るぅぅ。」
瞳がキラッキラァァのこけしちゃんも、いったん部活へと繰り出してゆきました。
「…今日って何か、あるんですかね?」
キョトンとするナナは、今頃になってようやくそのことに気づいたようだ。
「おまえは俺に、桜葉のノート見せんじゃねぇのか?」
「えええ!?その通りでございますけど、なぜに雰囲気がおやさしいんですかぁーっ!?」
「…あ?」
やはり素直な彼女の隣、ちょっとだけ薔の雰囲気は険しくなった。
すると、
グゥ…
勉強に励んだかは定かでありませんが、ナナはやっぱりお腹がペコペコの様子で、
「………………、」
もじもじと俯く彼女の手を引き、険しさはどこへやら、薔はクスリと笑ったのだった。
――――――――…
「つ、司っ!」
帰り道、慎は勇気を振り絞り、親友かと思いきや嫁へと声を掛けた。
「慎くん、びっくりするじゃん、」
いささかプリプリしながら、司が振り向く。
すると、
「きょ、今日は、ホワイトデーだろ!?こいつはお返しだ!」
と、やけに真っ赤の慎は、可愛くラッピングされた箱を差し出してきたのである。
「えーっ!?そんな、よかったのにい!ありがとう!」
なにげに赤くなった司は、その箱を受け取りまして。
ガサガサ…
嫁がお返しをワクワクと開封しだすなか、
「司…、お返しでキャンディーが意味するのは、“あなたが好きです”らしいぜ…」
照れくさそうに慎がちょっとした豆知識を小声で披露していると、
「やったあーっ!ポストンジャーのキャンディーだあ!」
司ははしゃぎ始めた。
「やっぱり慎くんだね!うれしい!おれがポストンジャー大好きなこと、ちゃんとしってるからあ!」
ってね。
「いや、司、おれのはなし聞いてた?」
慎はだいぶ、複雑。
「うん!今日はホワイトデーだよね!」
司は大喜び。
……喜ぶお前はかわいいけど、そうじゃねえよ!
「くっそ〜!ポストンジャーめーっ!」
「あーっ!なにすんだよ慎くん!返してよ、おれのポストンジャー!」
「うるせえ!“おれの”は余計なんだよ!」
「よくわかんないよーっ!」
イチャつけて…いるのかな?
…慎くんのお返しのチョイスが、嫁のためを想い過ぎたがための結果だな。
ファイトだ!慎くん!
きっと家ではこけし姉さんが、ナイスなフォローを入れてくれるさ。
デートの後にね!
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