※※第126話:Make Love(&Charge).66







 (あ、そういえば…)

 気づいてみると、今や彼しか見ておりませんでした。


 「戻さねえっつうことは…、この視線はもう、俺が奪っていいんだな?」
 まだちょっとだけ涙が残る頬へと、薔が手を伸ばす。




 ビクッ…

 そっと触れられただけで、ナナの全身はおかしなほどに反応してしまい、

 「せっかく涙、止まったのにな…」

 フッと笑った薔は、甘くくちづけてきた。

 チュ――――…







 「ん……」

 心地よい香気にも包まれ、ナナは熱く身ぶるいする。

 ぽち

 リモコンでテレビを消した花子は、嬉し恥ずかしそうに尻尾をフリフリお部屋へと向かいました。




 クチュッ…

 「……っん、」

 びくんっ…

 ゆっくり、なめらかに、舌は滑り込み、

 チュッ…クチュッ…

 唾液で音を立てるよう、濃厚に絡められてゆく。




 「ん…っ、…ん…」
 きつくしがみついていないと、後ろのめりに倒れてしまいそうなナナは、

 ぎゅっ…

 強く腰を抱かれ、パジャマを乱された。



 スッ――――…

 覗いた素肌が、やさしく撫でられる。

 「んん…っ、」

 うっとりと、躰は跳ね、互いの熱を流し込むかのように、内側から体温は上昇してゆくばかりで、

 「ん…っっ!」

 ナナは思わず、イけてしまった。




 ギッ…

 ちからが抜けて、ソファは軋む。

 「は……ぁっ、」

 ナナをつよく抱きながら、薔がゆっくりくちびるを離してゆくと、

 ツッ…

 唾液は糸を引いて、それはまるでまだ離れたくないと必死に手を伸ばす姿のようで。


 「はぁ…っ、はぁ…っ、」
 荒々しくなる吐息が、湿り気を帯びて混ざりあう。




 「やっぱ泣いちまったか、可愛いやつ…」
 「…んっ、あ…っ、」
 涙にも何度かくちづけてから、薔は彼女をさらにつよく抱きしめると、

 「なぁ、ナナ、」

 耳もと、囁きかけた。

 「ベッドまで、抱っこしてってほしいか?」







 「ん…っ、お願い…します…」
 ナナはぎゅっと彼に、しがみつく。

 「なら、しっかり掴まってろよ?」
 「はい…」
 背中をやさしく撫でてから、薔は彼女を抱きかかえた。






 「ん……」

 寝室に向かうまでのあいだも、何度かキスをしちゃったのは言うまでもない。
 かもしれない。

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