※※第137話:Make Love(&Kissy).74







 寸止めされちゃってからは特にエロティックへ突入することもなく、花子のお散歩へ寄り添って出掛けたりして、

 夜でございます!











 (あわわわわぁ!)

 ナナはソファで、手に汗握っておった。

 (ザザえもんが誘拐されちゃったよ――――――っ!)





 …はい、只今ナナさんは、リビングにて花子と一緒にザザえもん鑑賞をしていたのです。







 『麗しきユアハニーが、悪しき者にさらわれたって?』
 『特に麗しくもハニーでもないけど、』

 テレビのなかではどうやら、ピノ太くんとネス尾くんがタッグを組んでいるようで、

 『本当は、心配で心配で仕方がないくせに…、君は意地っ張り屋さんだなぁ。』

 ネス尾くんはこれでもかというほどキザったらしく、ピノ太くんの頬をツーンとした。




 すると、

 『そうでもないよ、』

 ピノ太くんはポケットから、携帯電話を取り出し、

 『こんなこともあろうかと、ザザえもんにはGPS機能を搭載してあるからさ。』

 嬉しそうに、笑った。

 『あ、なんだ、かしみん家にいるのか、俄然楽しくなってきた。』








 『フッ…、さすがのドラゴンレディーも、愛の前にはなすすべなしか…、妬けるね、』

 風を受け、微笑むネス尾くん。




 …――――これ、ほんとうに、

 国民的アニメなの!?











 (うおぉん!良かったねぇえ!ザザえもーん!大好きなピノ太くんさんが、助けに行ってくれるよぉ!)
 かしみちゃんは只じゃ置かれないだろうが、ナナはとにかく大感動してティッシュで涙を拭う。

 花子はそんなナナを見上げ、キョトンとしている。




 とまあこんな風に、リビングは大変盛り上がっておるなか、

 ポンッ…

 ナナは突然、やさしくあたまに触れられていた。





 ドキッ!として顔を上げると、

 「………………、」

 隣に並ぶ薔はちょっとふてくされているようで、黙って彼女のあたまをポンポンしておりました。





 ……うはぁぁぁぁあ!か〜わいい!

 瞬時にナナは泣き止み、ドッキドキして真っ赤っか。





 「どどどどどうなさいましたぁーっ!?」
 「………………、」

 ……あれ?
 このひと、何もおっしゃらないよ?


 「あのっ、もんのすごく気持ちいいんですけど、あたまはいつまでこのままでよろしいのでしょうか?」
 「………………。」

 …あれれれれれぇ?



 なんだかんだで萌えまくったナナは、必死になって手を伸ばした。

 「こっ、こうなりましたらわたしは、薔を撫でちゃいますよ!?」
 「…どこ撫でんだよ、」
 「あたまですよーっ!」





 “ふぅ、落ち着く、”
 花子は優雅に、ウトウトしておったんだとさ。

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