※※第132話:Make Love(&Apical).70







 放課後です!


 「俺も考えてみたけど…、お菓子とか、お茶とか、お味噌汁とか…」
 どうやらずっと真剣に考えていた様子の羚亜は、思い付いたそれらを口にしてみた。
 美味しく戴けるものばっかだな。

 ちなみにこけしちゃんはもう、部活へ繰り出した後です。


 「羚亜く〜ん、ぜんぶ“お”がなくてもいけるものじゃな〜いっ?」
 「あっ!そうか!」
 そして頬をツンツンしながら、うっとりと指摘する愛羅。




 「可愛い〜!他にもあるじゃ〜ん!温泉とか、オルゴールとか、思い出とか〜!」
 「うわぁ!愛羅さんさすが!すごいよ!」
 しかもこの、バカップル具合。







 「……帰るか。」
 「はい…」
 ナナはホロリとしていたけれど、呆れかえっていた薔は彼女の手を引き帰っていきました。


 「あたしは思い出は、羚亜くんとのしかいらな〜い!」
 「俺も愛羅さんとのしかいらないよ!」
 しかし未だにこの、バカップル具合だ。













 ――――――…

 (おお!薔さまと三咲さんはやはり、我が校のベストカップルであります!)
 グラウンドで部活中の黒熊くんは、運良くふたりの下校風景を眺められたようだ。

 (おふたりのおかげで、わたくしも可愛らしい桜葉さんの欲しいものを少しだけ知ることがで)

 ドンッ!

 「あいて!」

 こころで変態チックな礼を述べようとしていた黒熊くんの横っ腹に、野球ボールがぶつかってきた。






 「気を付けろぉ!」
 「はい!すみません!」
 バッターに注意をした千国先生は、黒熊くんへと駆け寄る。


 「大丈夫かぁ?黒熊ぁ、」
 「あっ、はい、只今あちらのベストカップルに、こころ奪われておりまして、」
 千国先生を心配させまいと、笑って返した黒熊くんが示した先では、

 「あはは!お前なんだよそれ〜!」
 「あーもう、うるせぇなぁ、」

 おそらくカップルではなく、友達同士(※こけしちゃんが悦ぶやつ)が歩いておりました。






 「…………あれ?」
 黒熊くんはキョトンと、したのだけど、

 「黒熊ぁぁあ…!お前もくぁぁあ…!」

 千国先生は見事なまでに、巻き舌へと変貌した。






 「ベンの影響かぁぁあ!?オルァァァア!」
 「ひえーっ!ちがいます!」
 青ざめる黒熊くんだが、なにげにちょっとときめいていた。

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