※※第132話:Make Love(&Apical).70







 「薔っ!」
 「あ?」
 席へと戻ったナナさんは、勢いよく彼をお誘いしてみた。

 「最初に“お”のつくものを、じゅんばんこに片っ端から言っていきましょう!」

 ってね。



 「別にいーぞ?」
 「ではわたしからいきます!えーと、」
 すんなり受け入れられたため、喜び勇んだナナは最初に“お”のつく何かを考えようとした。

 すると、

 「なぁ、ナナ、」

 クスッと笑った薔は、近づいて、耳もと囁いたのだ。

 「おまえがいつも、一番に欲しがるモンの最初も“お”だったよな?」











 …………かぁぁあああっ

 甘い匂いと囁きにも感じ、言葉の意味がわかってしまったナナは耳まで真っ赤っかとなり。

 「何で赤くなってんだ?」
 「だだだだだって、薔が、エッチなこと言うからですよ!」
 イジワルな問いに、ドキドキと声を張り上げた。




 ……あの状態で、言われてみたい!エッチなこと!

 周りはもう、いろいろと限界寸前。





 「へぇ、おまえん中ではエロい答えが浮かんじまったのか、」
 「えっ…!?ちがうんですか!?」
 ナナは素直に、驚いて、

 ふわっ…

 ぬくもりはさらに、近づいたのだった。

 「安心しろ、帰ったらしてやるよ、答えあわせ…」










 スッ――――…

 そして、離れた。



 ドッ…ドッ…

 ずっと耳まで真っ赤っかのナナは、心臓がその赤い耳にまで響くほどだ。







 「ホームルームなのに、なんでみんな廊下で倒れてるんだ!?」
 教室入りした吉川先生は、びっくり仰天だった。
















 ――――――――…

 「えっ!?司の姉ちゃんの誕生日って、3月1日なのか!?」
 「うん!」
 休み時間の中庭にて、仲良くおしゃべりタイムの司と慎です。


 「もうすぐじゃんかよ〜!」
 いずれお義姉さんになるかただと慎は信じて疑わないため、ひどく慌てまして、

 「司は何か、プレゼントとかすんのか!?」

 被らないようにと、率直に尋ねてみた。



 「うん!肩たたき券!」
 「いや、お前の姉ちゃん高校生じゃあ…、かわいいな、おい…」

 ……だってまだ小学一年生なんだもの、やっぱり手作りで!

 こけしお姉さんだって、執筆活動に励んでるから、肩凝るかもだし…





 「よ〜し!おれもお前の姉ちゃんに、何かプレゼントするぜ(そして気に入られるぜ)!」
 「一緒に作る!?肩たたき券!」
 「えっ!?いいのか!?」

 もはやこれは、デートのお誘いなのかと思いきや、

 「さっそく作ろーっ!」
 「教室で作るのかよ!」

 ふたりは教室へと、向かったのでした。








 ……まぁ、こけし姉さんは、慎くんのことたいそう気に入ってるけどね!

[ 97/540 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る