※※第94話:Make Love(&Intercrural sex).40







 「あのぅ…、」
 「なんだ?」
 夕食も後片付けも終え、リビングにてみんなして寛いでいる最中のこと。
 もうお菓子はこのくらいにしとかないと、と決心したナナは、意を決し薔へととある伺いを立ててみたのだ。

 「ちょっと、読み方とかがわからない漢字があるんですが…、教えていただいてもよろしいでしょうか?」

 と。


 「あぁ、別にいーぞ?」
 「わぁ!ありがとうございます!」
 と言いますことで、ナナはさっそく、予め用意してあった筆記用具とノートを駆使し、その漢字をゆっくり正確に書いてみたのでした。





 「この漢字です!」

 バッ!

 ノートを勢いよく、顔の横に掲げる、ナナ。




 そこには、けっこう大きな字で、こう書かれておりました。



 “素股”

 ってね。




 前回から気になってたんか――――――――い!







 よって、

 「・・・・・・・・・・・・、」

 薔は否応なしに、無言になった。


 (…………あれ?)
 ナナは目を、ぱちくりさせる。


 “あぁ、これは…”
 何となくで悟った花子は、とっても恥ずかしそうにトコトコとお部屋へ向かっていきました。




 「…おまえ、こんなんどこで知った?」
 「ぇえ!?それはですね、なんか、えっと…、あの、その、たまたまバイト中に読んだ雑誌に、載ってたんです!」
 そして、かなり苦しい言い訳をしていたナナは、

 「ふーん、」


 ドサッ――――…

 ソファへと押し倒されちゃったんです。






 ナナの心臓は、一気に跳ね上がりまして、

 「実践で教えてやるか、」

 見下ろし、薔は大胆不敵に笑った。














 ――――――――…

 こけしちゃんと醐留権は、きちんと和解できました。

 そして、ご両親が帰宅する前に、芋焼酎にはいっさい手をつけなかった醐留権は、帰宅でございます。




 「あーっ、ゲイちゃん、待てーっ!」
 「ニ゛ャー(おれのケツ追っかけんなよ)、」

 リビングでは司が、ゲイちゃんとバタバタやっておる。



 「あぁぁ、司ったらぁ、」
 玄関にて、ゲイの味方であるこけしちゃんは、そちらを見ながら再びプリプリし始め、

 「桜葉、」

 ふと、醐留権が彼女の名前を呼んだのです。



 「はいぃ、」
 ニコニコと、こけしちゃんが前を向いた瞬間、

 ちゅっ

 やさしいキスは、落とされました。






 「おやすみ、」

 微笑むと、醐留権は帰っていった。

 バタン――――…





 「あぁぁぁ、反則ぅっ、」
 こけしちゃんは真っ赤になり、階段をパッタパタと駆け上がって行きました。




 「姉ちゃーん?」
 「ニ゛ャー(そっとしといてやれ)、」
 司はゲイちゃんを抱っこしながら、キョトンと二階を見上げておったんだとさ。

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