※※第94話:Make Love(&Intercrural sex).40
こけしちゃんズルームにて、こけしちゃんと醐留権は向かい合って座っておりました。
「つまらないものしか出せませんが、こちら芋焼酎ですーっ!」
「司くん、私はいちおう、ここまで車を運転してきたのだが、」
戸惑う醐留権に、芋焼酎の入ったグラスを差し出した司は、見事なまでにマスクァレイジャーへと変身を遂げていた。
……それきっと、お父さんの嗜好品とやらだよね!?
「司ぁ、下でゲイちゃぁんとぉ、遊んでなさいぃ。」
「姉ちゃん、ゾーラ兄ちゃんと喧嘩しちゃダメだよお?」
こけしちゃんがおっとりにおいてプリプリと言い聞かすと、司は素直に部屋を出ていきました。
「………………、」
しばしの、沈黙は流れましたが、
「桜葉、すまなかった…、君を巻き込みたくは、なかったのだが、」
先に醐留権が、気まずそうに口を開いた。
「もう落ち着いたかもぉ、あたしもぉ、ゾーラ先生ぇの都合とか、考えてなかったしぃぃ。」
深呼吸してから、返すこけしちゃん。
「よくよく考えたらぁ、ゾーラ先生ぇのお兄さぁんだもんぅ、結婚式に招待されたことは、とぉっても光栄なことよねぇぇ。」
そして彼女が、ニコニコと納得すると、
「桜葉…」
惚れ直しちゃった醐留権は、こんな一言を発したのである。
「実は、式場の近くには落ち着いたホテルがあるんだ、終わったら桜葉と、そこでゆっくりしたいと考えている。」
とね。
するとこけしちゃんは、たいそううっとりと返しました。
「喜んでぇぇ、行きますぅぅ。」
醐留権はちょっとだけ、姉弟というものは流石だなと、更なる感心を目の当たりにしちゃったのでした。
[ 63/538 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る