※※第124話:Make Love(&Lewd).65







 (あれ?倒れたのに痛くない…)

 ……おまけにいい匂いするし…

 ナナがそう思った、瞬間だった。


 「おい、」

 堂々とした声は、すぐ下より聞こえました。

 「いつまで乗ってんだ?」





 ……………………え?


 恐る恐る、瞳を開けると、

 「ヤりてぇのか?」

 乗っかる体勢となっていた薔に、とんでもないことを問いかけられたのだ。





 「えええ!?なぜに薔が、下になってらっしゃるんですかぁ!?」
 「それよりおまえ、入ったぞ?」

 …………えっ!?




 「…は、はいってませんけど…」
 「………………、」

 なぜか下方を覗き込む、ナナ。





 そのとき、

 パチパチ…

 拍手は巻き起こって、

 「ナナちゃぁん、(やりとり卑猥だったけどぉ)すごぉぉいぃっ!」
 「(やりとりは卑猥だったが)やったな!三咲!」

 周りがあたたかく、祝福してくれた。







 「入ったのは、ボールだ。」
 「わぁあ!入ったんですかぁ!?」

 ……大喜びのナナよ、

 帰ったら、覚悟しといたほうがいい。














 結果、スリーオンスリーはチーム制だったしで、白熱というよりはただ盛り上がって、薔チームの一歩勝利で幕を閉じました。


 「暮中、今度は本当に、サッカーでリベンジをさせてくれ。」
 「しつけぇな、あんたも。わかったから触んな。」
 なにげに醐留権は、薔にまとわりついている。


 「こ、こけしちゃん!?大丈夫!?」
 「ナナちゃぁん…、あたしもぅぅ、楽園が見えたぁぁ…」
 「こけしちゃ――――――――――んっ!」

 頼むからゾーラ先生、ほどほどに…



 「桜葉!?」
 「………………、」

 驚いた醐留権は、急いで彼女のもとへと。




 「大丈夫かい!?」
 「あぁぁぁ、ゾーラ先生ぇぇ…、あたしにはぁぁ、お構いなくぅぅ…」
 「どうしてだい!?」
 そして醐留権は大慌てでこけしちゃんを抱きかかえ、冷えピタのほうへと走っていきました。










 これにて、球技大会の練習、お開きでございます!









 「じゃあまた、月曜日にね!」
 「またねぇぇ。」

 着替えたりして(このときは男女別・つまりこけしちゃんは限界寸前)、あったかくそれぞれふたりの世界に戻りました。












 帰り道。

 「ああっ!薔っ!」
 「なんだ?」

 ナナは元気よく、願い出た。

 「ここ、寄ってきたいです!」

 と。




 「昨日までおまえ、バイトしてたじゃねーか。」
 「だから寄ってきたいんですよぉ、」

 すんなりかと思いきや、薔はちょっと嫌そうだ。


 「お願いします、ちょっとだけ、」
 「…仕方ねぇな、」

 しかし、彼女に懇願され、渋々聞き入れたのだった。

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