※※第124話:Make Love(&Lewd).65







 「おい、出かけるぞ、支度しろ。」

 帰ってきた薔の第一声は、こうだった。


 ぷぅっ

 ソファにて膝を抱え、未だエプロン姿でふくれていたナナは、

 「どうぞ、またわたしを置いてきぼりに、していってくださいっ、」

 と、口を尖らせ返します。




 「やけに可愛いじゃねーか、脱がしてほしいのか?」
 「ちょっ、ちょっと、あの、わたくし、自分で脱げま…すっ、」




 あ――――――れ――――――――っ!

 ※脱がしているのは悪代官とかじゃなくて立派な彼氏でございます。











 ぷぅっ

 支度が終わってからも、ナナはふくれておったが、

 「薔は着替えないんですかぁ?」
 「なんだ、脱がしてぇのか?」
 「んええ!?」

 なんだかんだ言ってもふたりは手を繋いで、

 バタン――――…

 部屋を後にした。
 ちなみに薔は何やら、荷物を持っておりました。





 “うふふ、ナナちゃんたら、ご主人さまの気も知らないで♪”
 お散歩に大満足の花子は、これから窓辺で日向ぼっこです。















 ――――――…

 やたら普段着な格好で、ふたりが向かった先とは?


 「な、なんですか!?この、おっきな建物は!?」
 「あんまでけぇ声で、おっきなとか言うな。」
 「えええ!?」

 はい、学校の近くの体育館でした。



 「行くぞ。」
 「おぉぉおわぁぁぁあ!?」

 そのまんまナナは強引に手を引かれ、薔と体育館インであります!












 「あぁぁ、ナナちゃぁんたちぃ、来たぁぁ。」
 既に体育館では、4人がジャージ姿でスタンバイしておった。

 「こけしちゃ――――――ん!」
 ナナは大喜びで、親友へと駆け寄る。



 「あんたは呼んでねぇぞ?」
 「桜葉が行くと言ったら、私も来るに決まってるじゃないか。」
 「あ?」
 不機嫌な薔と微笑む醐留権は、やおい的な再会(ではない)。


 「よーし!今日は薔くんにいっぱい、バスケ教えてもらお!」
 「羚亜くんはあたしに、卓球教えてっ?」
 そしてイチャこく、羚亜と愛羅。






 「あのぅ…、もしかして…」
 「ん?あぁ、おまえのジャージもちゃんと持ってきたぞ?」
 ナナはクイクイと、薔のトップスを引っ張り、

 「あそこで着替えてくるか、」
 「あっ、はい、」

 ふたりして更衣室へと、向かったのでした。



 つまりは本日は、体育館貸し切りにして球技大会の練習なんですが、

 (一緒の更衣室に、入ってっちゃった…)

 その前に汗を流したであろうなカップルは、一組おったようであります。
 あ、こけしちゃんの場合のみ、それ相応に変換してください!

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