※※第124話:Make Love(&Lewd).65







 さてさて、本格的にみんなして、目を覚ましたご様子です。


 「ふああ、お腹空いてましたよ、ご飯美味しそうです!」
 やはり作らなかったんだな?のナナは、いそいそと食卓に着きまして、

 「夜中まであんだけヤってりゃ、腹も減るだろ、」
 あっさりと返した薔は、花子のご飯を用意していた。




 ……かぁぁぁああっ

 思い出して真っ赤となったナナは、いったん朝食を食べるどころではなくなってしまったのだけど、

 「どーした?食わねぇのか?」
 「しょ、薔を待ってたんですよ!」

 ようやくさんにんしての、ちょっと遅めのブレイクファーストと相成った模様です!
















 ――――――――…

 「あああ、今日からバイトはないから、薔とずっと一緒にいられるよ!」
 後片付けに励むナナは、はしゃぎながらそれとなく恥ずかしいことを言っておった。

 すると、

 「ナナ、」

 対面式キッチン越しに、堂々とした声を掛けられたのである。



 「はいっ!」
 元気よく返事をしたナナは、

 ………………あれ?

 次にキョトンとした。





 薔はまさしく、花子のお散歩に行く準備万端だったのだ。



 キョトンとしたままのナナのあたまに、片方をまわして、

 ちゅっ…

 引き寄せて、キスをすると、

 「花子の散歩行ってくる、いい子にしてろよ?」

 微笑み、やはりな言葉を残すと、彼は花子と部屋を出て行きました。

 バタン―――――…








 「………………え?」

 ナナはようやく、たいそうびっくり仰天した。

 「えぇえええ――――――――――っ!?」





 泡のついたお皿を、落っことしそうな剣幕であるが、

 「なぜに、一緒に行かないんですかぁ!?」

 ナナは涙目になって、宙へ叫びかけた。

 「置いてかないでくださいよ――――――――っ!」

 おーっ、ぉーっ…(※置いてきぼりのエコー)






 「うっ、う…っ、あのひと、わたしがバイトしてるときは、いつも、花子ちゃんのお散歩ひとりでしてらしたから…」
 ウルウルブツブツでも、皿はきちんと洗い出します。

 (まさか、そのときに何か、いいものとか発見しちゃったんじゃあ…)





 そう考え出すと、いてもたってもいられなくなって、

 「薔のばかぁ…っ!」

 とか零しながら、ナナは着々と後片付けを進めていったのでした。

[ 492/538 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る