※※第123話:Make Love(&Petting).64






 ドキッとした。

 この状況で、思っていなかったわけがない。



 「そ、それだとわたしにも…、都合いい…です……」
 「へぇ、また当たったのか、」
 ナナはやはりバカ正直に応え、薔はちょっとイジワルに笑う。


 「あ…っ、そ、れっ、ダメ…っ、」
 疼いてしまい、涙目になったナナが振り絞ると、

 「これでダメなん、言うなよ、抱かれるんだろ?」

 抱き寄せ、容赦なく甘い言葉を薔は吹き掛けた。

 「俺は今すぐおまえん中、挿っちまいてぇよ…」






 「え……?」
 心臓が、跳ねる。

 「でもそれじゃ、ただヤるのが目的みてぇだしな、」

 くちゅ…

 「……っんん、」

 薔は耳へ艶かしく、舌を滑らせ、

 「俺の目的はとことん、おまえを可愛がることだ、」

 ぎゅっ…

 片手でさらにつよく抱き寄せ、ふるえるナナのくちびるをゆびでそっと弾いたのでした。


 「だからたっぷり可愛がって、いっぱい愛してやる、…覚悟はできてんだろうな?」











 「は…い…」
 素直に応え、ナナはぼんやりと彼を見上げる。

 クチュッ…

 薔はその口内へ、ゆびを滑り込ませ、

 「いい子だ、舌出してろ。」

 いやらしく誘った。




 引かれるようにして、ナナがちゃんと従ったところで、

 「ん……」

 いきなり舌は絡まって、ディープにくちびるが奪われた。








 「は……っふ、ぅんっ、」

 吐息も絡みあう。

 時折甘く、視線も絡めあう。


 ぎゅ…

 砕けてしまう腰は、片手でつよく抱かれ、

 「……っん、は……んっ、ン、」

 撫でられる頬が、堪らなく熱くなる。



 ちゅっ…ちゅくっ…

 「はぁっ、あ…っ、」

 くちびるをくっつけたまま朧げに見つめあい、伸ばした舌と舌を荒い息と共に激しく絡め、

 「ん……っ、」

 はむっ…

 再び深く舌が入れられると、ナナはソファに押し倒された。







 きゅ…

 肘掛けを掴もうとした、手首を掴まれる。

 「ん…っ、ん……」
 うっとりと声を漏らすナナは、僅かな唾液を伝わせている。


 「は……」

 掴まれた手首に、ゆびが伝い。

 膝からうえへと、ゆっくり撫であがる手が、柔肌にスカートを滑らせ徐々にまくりあげてゆく。





 「んん…っ、」

 涙は零れ落ち、限界もいいところだったナナは、

 「……っんっっ!」

 ビクンッ…

 達してしまった。








 「は……ぁっ、」

 とろぉっと唾液が糸を引き、くちびるは離される。


 ツ――…

 薔は撫でていた太股で、ゆびを動かすと、

 「もう濡れてる…」

 そう言って、妖しく微笑んだのだった。

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