※※第92話:Make Love(&Drop).38







 ちゅっ…

 やわらかなくちびるが、そうっとやさしく首筋へキスを伝わせてゆく。

 「あ…っ、あ……」
 ナナはビクビクとふるえてしまい、滑り落ちた冷えピタは、ベッドの隅へと身を潜めた。



 「すげえ震えてる…、これだけでそこまで感じんのか?」
 キスをつづけたまま、薔はフッと吹きかけて。




 「だってっ、この熱は…っ、薔に、触ってほしか…った、からっ……」
 「へぇ、」

 ちゅうっ…

 「んッ…!」

 痕が残るほど強く吸いつかれ、ナナは身震いする。



 「おまえがいつもしてるみてぇに、俺も噛んでみっか、」

 はむっ…

 「や…っ、ぁッ、」

 首筋をそれはやさしく噛まれて、ゾクゾクして仕方ないナナは薔へとしがみつく。





 「んあ…っん、薔っ……」
 火照りすぎて涙目で、ナナがふるえていると、

 「どーした?」

 耳元でまたまたやさしく、吹きかけられてしまった。



 「ふあ…っ!」
 その直後、ナナは達せて。

 「かわいい…、もうイっちゃったのか?」
 クスッと笑うと、薔は耳すらもそっと噛んだのです。





 「あっ、ン、」
 躰は跳ねて、

 「ナナ…」

 くちびるで耳に触れると、薔は妖しく囁いたのでした。

 「もっと欲しいなら、言えばいい。それをおまえにやれるのは、俺しかいねぇんだ、」







 エロティックに導かれ、

 「あの…、熱いんです…、脱がしてもっと、エッチなコトしてください……」
 泣きそうになって、ナナは懇願する。


 「上等だ、脱がしてやる。」
 笑った薔は、いったんからだを起こした。














 ちゅっ…

 「ん…っ、あ…っン、」

 一糸纏わぬ姿にされ、ナナはカラダじゅうの至るところにくちづけをされていた。


 「キスするまでもねーな、全身汗で濡れてんじゃねぇか、」
 「や…っ、もっとして……」

 ねだるほどに火照り、汗は流れ出す。



 「……ん、なら、どこにキスしてほしい?」
 「あのっ、まずは、口に……」

 ナナは素直に、おねだりし、

 「ここは最後まで、取ってあったんだぞ?」

 笑った薔は彼女へと、覆い被さった。





 「口、開けて…」
 「はい…」

 従って、ナナが口をおもむろに開けると、

 クチュッ…

 伸ばした舌が、入り込んできた。



 「ん……っ、」
 いきなり絡まる唾液が、卑猥なほどに甘美だ。
 艶かしく動かして、むさぼらずにはいられない。


 チュウッ…チュプッ…

 濡れてゆく、くちびる。

 夢中になり、更なる深みへ。



 「んん――――…」

 乱れゆくシーツの中、ナナは淫らに骨抜きにされていった。

[ 39/538 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る