※※第122話:Make Love(&Delusion).63







 「え、えっと…、」
 バレたことがひとまず吹っ飛ぶ勢いで、ドキドキのナナはちょっとだけ俯く。

 「帰ったところで、すんのは同じことだぞ?」
 薔はゆびでそうっと、くちびるを撫でながら、

 「さぁ…、おまえはどうする?」

 耳もとで吐息混じりに、囁きました。




 「……っん、」
 近づきすぎた香気に堪らず全身はふるえ、ナナは小さく応える。

 「ここで…、してください…」

 と。




 「よし、いい子だ、」

 笑ってあたまを撫でてから、薔はくちびるを奪いにきたのだった。

 チュ――――――…








 「ん……」
 うっとりとナナは、彼のシャツを掴む。

 ちゅくっ…

 口内に舌は滑り込み、さっそく唾液が音を立てはじめる。

 「は…っ、…ん…っ、」
 吐息は零れ落ち、それでも呼吸をするのは惜しくて夢中でキスをむさぼる。






 ちゅっ…くちゅっ…

 「……っん、ふ…っ、」

 艶かしく動くくちびるは、次第に濡れて艶を帯びて、

 「ん…っ!」

 ガクンッ――――…

 キスだけでちょっとイけて、思わずナナは腰が砕けた。



 ぎゅっ

 はじめから腰は、支えるように抱かれていて、さらに強く抱かれると、

 ガタンッ…

 ナナを机に乗せてから、薔はキスを続行しました。











 「ぁ…っ、ん…っ、」
 触れあわせるくちびるのあいだで、熱く舌と舌が絡まってる。

 ぎゅ…

 背中にまわした両手で、ナナはシャツをきつく掴み、

 「は……ぁっ、」

 唾液が横に糸を引いて、くちびるは離されていった。




 「ん…っ、ダメ…です…」
 「何が?」
 肌を滑ったくちびるが、耳を愛撫する。

 「あ…っ、んっ、ダ…メ…っ、」
 吐息と共に、ナナは甘ったるい声を上げ、

 「大丈夫だ、ナナ…」

 耳にくちびるで触れながら、薔は吹き掛けた。

 「おまえがあんま高ぇ声で、鳴きさえしなけりゃ、な…」








 「……っふ、」
 咄嗟にナナは、両手でくちを強く覆っていた。

 「へぇ…、そうでもしねぇとおまえは、あんあん喘いじまうのか?」
 笑った薔は容赦なく、くちびるを滑り落としていきました。

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