※※第122話:Make Love(&Delusion).63
結果的に、ナナが余計絡めてしまったやつを、薔が手際よく解くという作業になりましたが、
「なんか、けっこう出ちゃいましたね、」
「あんまけっこう出るとか言うな、」
「えええ!?」
何とか解けた模様です。
「これじゃ着てけねぇか、」
「うぎゃあ!いきなり脱がないでください!セーターと言えども!」
そして、上半身はシャツ一枚となった薔と、真っ赤のナナはいったん教室に帰る模様で、
「寒ぃな、もっとくっつけよ、」
「あっ、はい!」
もはや抱きつく勢いで、たいそうイチャイチャと歩いて行っちゃいました。
「………………。」
あの〜、どなたか、団ちゃんの介抱を…
と思っていたら、
「団長じゃないですかーっ!」
たまたま部員くんらが、通りかかってくれた。
「醐留権先生がきっと、探してますよーっ!?」
「おれやっぱ…、応援一筋に生きる…、心臓…、限…界……」
「だ、団長ーっ!」
男たちの熱き魂は、結束を強めた。
かもしれない。
……まぁ、悶え死にが無実を証明しているようなものだし、
結果オーライと言っておこう!
――――――――…
「それにしても、薔は醐留権先生とふたりっきりで、あんなところで何をしていたんですか?」
誰もいない教室に戻ってから、ナナは率直に尋ねてみた。
「おまえその質問、言い方何とかならねぇのか?」
「んええ!?」
ジャージとかを羽織るのかと思いきやそのまんまの薔は、ちょっと呆れ気味。
…そうだよ、そういうニュアンスのはこけしちゃんに任せようよ。
そしてこのとき、
「だって、おかしいじゃないですか、」
腑に落ちなかったナナは、最大のうっかりをおかしてしまった!
「こけしちゃんの小説でもないのに、薔の上に醐留権先生が乗っかってたんですよ!?」
「ふーん、」
………………はっ!
しまった!と思ったときには、時すでに遅し。
「それについては後でたっぷり、聞かせてもらおうか、」
とんでもなく落ち着いた雰囲気で、微笑む薔はナナの頬に触れた。
「誰もいねぇんだが、このまま帰るか?」
「あわわわ!すみません!ついうっかりしてしまいました!」
「っとにおまえは、バカ正直だな、いいから答えろ。」
……とうとう、バレたか!
けど、このままエッチか?
[ 466/538 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る