※※第122話:Make Love(&Delusion).63






 なんかすごい音した(※こけしちゃんの場合のみそれ相応に変換)、と思ったナナとこけしちゃんと団ちゃんは、すぐに振り返った。





 そこに広がって、おりましたは…、


 「…ってぇな、(毛糸が)出ちまったじゃねぇか、」
 「すまない、引っ(←二文字聞こえてない)掛けてしまったようだ、」

 まるで醐留権が、薔を押し倒して上に乗っかっちゃったかのような、見ようによっては白いあの美しいお花の世界だったのであります!









 よって、

 「………………!!」



 ばたぁぁんっ
 ばたーん


 「こけしちゃ――――――――――ん!?と団ちゃんさん!?」


 腐のつくふたりは、即悶え死んだ。






 驚いたナナが、駆け寄るより早く、

 「桜葉!?」

 薔から降りた醐留権が、彼女のもとへと。




 「大丈夫かい!?まさか何かされたのか!?」
 「あぁぁぁ、ゾーラ先生ぇぇ…、あたしはいいからぁぁ…、つづけてぇぇ…」
 「何をだい!?」
 彼の腕のなか、こけしちゃんはぽわわんの骨頂。


 「あぁぁぁ、でもぉぉ…、ナナちゃぁんがぁぁ…、…見てるぅぅ…?ナナちゃぁん……」
 「打ち所でも悪かったのか!?とにかく病院へ行こう!」

 しかし醐留権は、大慌てでこけしちゃんを抱きかかえた。


 「大丈夫ぅぅ…、それよりゾーラ先生ぇぇ…、ナニがぁぁ…」
 「なに!?」
 そしてそのまま駐車場のほうへと、走って行っちゃったんだとさ。











 「…あの眼鏡、次会ったら只じゃ置かねぇぞ。」
 呆れ返る薔のセーターには、未だ枝が絡みついたまんまです。

 おまけに、見ようによっては無理矢理、押し倒されちゃったもんね。




 「薔っ!大丈夫ですか!?」
 呆気にとられていたナナが、我に返り急いで彼へと駆け寄る。


 「あぁ、大丈夫だ。それよりおまえ、これ解くの手伝え。」
 「あっ、はい!」
 ここでようやく、ふたりで愛の共同作業!


 「ぎゃあ!すみません!どさくさに紛れてすごい嬉しいとこ触っちゃいました!」
 「おまえが叫ぶなよ、」

 ……さすがは、得意分野。

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