※※第121話:Make Love(in Splash).62







 淫靡に溺れ、抜いてからはまた洗いっこをして、湯船に浸かっております。


 「あのぅ…、」
 「ん?」
 後ろから抱きしめられながら、ナナは思いきって尋ねてみた。

 「さっき教えてくださった、バレーボールの手の位置は、こうでしたっけ?」

 と。







 「………………。」

 改善されていたら良かったんだが、特に何も変わっていなかった。


 「…こうなったらセックスしながら教えてやる、」
 「んえええ!?」

 ザパンッ――――…

 やっぱりバスタブで、2ラウンド目か!


 「や…っ、あのっ、普通…にっ、教えては…っ、くださらないっ、ん、ですかぁ…っ?」
 「このほうが覚えられそうだろ、おまえの場合は、」

 ……そうかもしれない。
 のか?




 くれぐれも、逆上せないように。








 さてさて、球技大会にはどんなハプニングが、

 待ち受けているのか!?


















 ――――――――…

 ざわざわと夜風は、冷たく吹きつけていた。




 「どうだい?獲物を横取りされた気分は、」
 ビルの屋上からひとつのマンションを見つめ、男は自らに語り掛ける。

 「…悪くないね、最後に笑うのは俺だから。」





 その声は不気味なまでに穏やかで、瞳はとうの昔に、正気を失くしていて。


 「時間を掛けて壊そう…、じわじわと、歯車が狂ってゆく様を見ていたいんだ…」

 やがて竜紀は身を翻し、暗闇の中へと消えていった。


 「だって俺はとっておきの、“秘密”を隠し持ってるんだよ…」













 …――――大丈夫、

 巻き戻すことも、繕うことも、

 できなくなるまで壊してあげる。
















  …――A secret is what?

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