※※第121話:Make Love(in Splash).62






 昨日はなんだかんだで言えなかったから、言いたかったのかな?



 「可愛いやつ…」
 薔はナナのおでこに、くちづけると、

 「なら、してもらおうか、」

 次にはそうっと頬を撫で、見つめながら囁きかけた。

 「どんなこと、してくれる?」







 「え、えっと…、」
 雰囲気の甘さにナナは、目を逸らしたいのに逸らせない。

 「例えばこの唇だけでも、できることはたくさんあるぞ…」
 薔は見つめながら、くちびるをゆっくり撫でてくる。


 「あ…の…、わたし…」

 プッ…

 くちを開いた瞬間、親指を少し入れられてゾクゾクした。

 だから、ナナは告げた。

 「薔と一緒に…、お風呂、入り…ます……」

 と。







 「へぇ、風呂で相手してくれんのか、」
 妖しい笑みを浮かべた薔は、彼女の腰を抱き、

 「それなら目一杯、濡らしちまっても構わねぇな、」

 共にソファを降りた。


 「は…っ、」

 ぎゅうっ…

 立っていることがすでにままならないナナは、彼のシャツを掴む。

 すぐに、

 「あぁ、悪りぃな、抱っこしてってやるか?」
 「お願いしますぅ…っ、」

 おぼつかない足取りだったため、薔は彼女を抱きかかえた。

















 タンッ――――…

 脱衣場の壁が支えるよう、背中が押し当てられる。

 シュル…

 制服のリボンは、解かれ。


 「わたし、できます…」
 「ダメ、俺が脱がす、」
 ナナはふるえる手を伸ばしたが、耳もとで囁かれた。

 「おまえは俺を、脱がせばいいだろ?」






 ゴク…

 だから、息を呑んだナナは、彼のシャツへと手を掛けた。

 プツッ…

 ちょっと手こずったが、なんとかボタンは外れる。


 そして、

 「や…っ、手が、震えて…っ、」
 「いいよ、慌てんな、」

 じれったさにもふるえる、ナナだったが、

 くいっ…

 ふと、その顎を持ち上げ、薔は微笑んだ。

 「じっくりキスでも、してればいい…」






 チュ――――…

 「ん…っ、」

 くちびるが、奪われる。


 プツンッ…

 舌を絡めながら導かれるように、互いのボタンを外してゆく。

 「は…っ、はぁ…っ、」

 吐息は零れ、露となってゆく肌に欲情は駆り立てられ。



 「ん……」

 キスを交えた脱がしあい。

 衣服は徐々に、床へと散る。

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