※※第120話:Make Love(&Jealousy).61






 かぷ…

 「ん…っ?」

 離したくちには、再びゆびが入れられる。


 「痛くはねぇが、ヘンな声出ちまうだろ、」
 薔は心なしか、不機嫌。






 ……ヘンな声なんてこれっぽっちも出てませんでしたけど!

 そう言いたくて仕方ないナナは、

 「んぐ…、んぐ…っ、」

 なんだかんだで、ゆびをしゃぶっていた。



 そんでもって、

 (ちょっとだけ…)

 彼女はどさくさに紛れて、

 キュッ…

 乳首を摘まんじゃった。





 「…………っ、」

 きつく目を閉じた薔は、声を抑えたようだったが、

 「…おい、」

 ふと、若干険しく見上げ、言いました。

 「おまえ、お仕置きされてぇのか?」










 「だって、エッチな声なら出てますけど、ヘンな声なんて出てないじゃないですかーっ!」
 「うるせぇな、おまえがここ、敏感にしちまったのがいけねーんだろ?」

 ナナは力説のために、くちびるを離し、よくよく見ると傷は消えてましたので、

 「ほら、大人しくお仕置きされとけ、」
 「おぉおわぁぁぁああ!?」

 ドサッ――――…

 形勢逆転!









 ちゅ…

 「……っん、」

 うつ伏せにされて、耳や項へいくつもキスをされてゆく。

 「おまえも、汗すげえな…」

 ぐいっ

 薔はパジャマのなかに、手を滑り込ませ、

 「脱がしにくいだろ?」
 「ん…っ、あ…っ、」

 それでもスムーズに、脱がしてゆきます。




 ギュ…

 手首で留まったそれは、裾を引っ張って縛られて、

 「や…っ、ほどいて…っ、」
 「解こうと思えば解けるだろ、予めそう縛ってある、」

 くにゅっ…

 四つん這いにされ、後ろから乳房が揉まれだした。

 「要するにおまえは、俺から逃げらんねぇんだろ?」













 ドッ…ドッ……

 その通りだ。
 その言葉こそがまるで、鎖みたいだ。

 高鳴る一方の鼓動が、揉みしだかれる胸で跳ねる。


 「は…っ、あ……んっ、ぁ、」

 やわらかく揉まれ、乳首にはまだ触れられないが快感も相当で、

 ぎゅっ…

 シーツを掴むナナは、もうすぐイけちゃいそうである。




 すると、

 「足、開いて、」

 手の動きは、止まってしまった。


 「……っぅ、あ…っ、」

 ズ――――…

 もどかしさに泣きながら、膝を滑らせナナはあしを開いた。

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