※※第120話:Make Love(&Jealousy).61






 「はいぃ…っ、」
 ウルウルしすぎたナナは、とうとう泣きだして、

 「可愛すぎなんだよ、おまえの泣き顔…」

 ちゅっ

 薔はその涙に、やさしくキスを落とす。



 「……んっ、あ…っ、」
 ナナのからだは、ますますふるえて、

 「あぁ、もちろん笑顔もだぞ?」
 濡れた頬を両手で包むと、彼は微笑みました。

 「おまえの全部、可愛くて…、好きは毎日増えてくよ…」




 ドキドキは、加速し、

 ちゅ…

 「ん…っ、」

 おでこにもキスが落とされる。


 「……っん、あ…っ、」
 そのままくちびるは、肌を滑ってゆくのだけど、

 「…あっ、え…っ?」

 涙目でもナナは、気づいたのだ。

 「おゆび、っ、どうなさい…ましたっ?」






 薔の左手のゆびには、新しいであろうな傷がついており、

 「指がどーした?」
 「きっ、切れてますけど…っ、」

 ナナは慌てて、その手を取った。




 「そーいや、切ったな、」
 「えええ!?今すぐ病院に行きましょうっ!」
 薔は今思い出したようだが、青ざめるナナの心配はあきらかに大袈裟で、

 「んな必要ねぇだろ、」

 プツッ…

 笑った彼はくちびるのあいだに、当のゆびを入れてきた。

 「俺には、おまえがいるだろ?」







 ゴク…

 ゆびをくちびるに挟み、ナナは息を呑む。

 「少し、乾いてるか?」
 薔はいったん、ゆびを抜くと、

 ガリッ…

 自ら傷口を、噛んでみせた。





 「何をやってるんですかぁ!?」
 驚いたナナは、からだを起こす。

 それでも、

 ツ――――…

 息を乱す彼女のくちびるに血液のルージュを引かせ、自身のくちびるを妖艶に舐めると、薔は囁いた。

 「いいから、舐めろよ…」









 れろ…

 おもむろに、まずは赤いくちびるへと、舌を滑らす。

 「口、開けて…」
 彼の言葉はまるで、甘い呪文みたいで、ナナは従わずにはいられなくて。


 かぷっ…

 微かに開かれた口の中へと、ゆびは入り込む。



 「ほら、吸って…」

 耳もとで薔は囁き、ナナは血液を吸い上げた。

 チュッ…ジュルッ…







 「はぁ……はぁ……」

 肩に頭をもたせ、薔は息を荒げる。


 「……っん、ぁ…んっ、」
 吐息は耳に吹きかけられるため、かなり限界寸前のナナのくちびるはふるえ、

 「遠慮すんな…、もっとねぶれ……」

 おまけにいやらしく囁かれて、下半身はどんどん疼く。



 「……は、あ…っ、」

 ぎゅっ…

 薔は息を上げ、ナナの腰を片手で抱くと、

 くちゅっ…

 耳に舌を入れてきた。

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