※※第115話:Make Love(ClimaxW).57






 ちゅくっ…

 舌を絡めて音を立て、艶かしいディープキスを交わす。

 「は…っ、」

 混ざる唾液が時折糸を引いて、濡れたくちびるのあいだ煌めきすら帯びて。



 「ん…っ、……ん、」

 うっとりとキスをむさぼるナナは、すでにくちびる以外もかなり濡れておりまして、

 キュ――――…

 乱れるばかりのシーツのうえ、手に手が重なってゆびを絡められる。




 「ぁ…っ、んん…っ、」

 息をするより先に、甘い声を漏らしてしまったナナは、

 「ん――――――――…っ!」

 薔の手をつよく握りしめ、達していた。




 「は…ぁっ、」
 舐めるように舌が抜かれ、唾液が細く糸を引く。


 すると、

 「なぁ、」
 薔はくちびるを舐めながら、問いかけてきた。

 「おまえを連れてった奴ってのに、どこまで触れられた?」







 「え…っ?」
 涙を溜めた瞳を開き、ナナがウルウルと見つめると、

 「答えろよ、はやく…」

 心なしかひどくくるしげに、薔は見つめ返す。



 「ほとんど、触られてません…っ、右手と、顎…だけ…」

 息を荒げ、ナナは答え、

 「ここだな?」

 れろっ…

 顎が舐められだした。




 「あ…っ、あ…ぁっ、」

 手はつよく重なったまま、感じて仕方ないナナはつまさきでシーツを波打たせる。


 ぐいっ…

 次にちょっと強引に、重ねていた右手を取ると、

 「おまえの何処も彼処も、触れていいのは俺だけだ…」

 ちゅっ…

 キスをして、薔も潤んだ瞳でナナを見下ろした。

 「全てが、愛おしくて堪んねぇんだよ…」










 「あ…っ、う……」

 とめどない想いが、とうとう涙となってナナの目から溢れだす。

 薔は手を伸ばし、その涙をゆびで拭っていたが、

 「ごめんな、狂いそうだ…」

 ふと、かがんで、濡れた頬へくちづけたのだった。

 「ナナ…、愛してる……」

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