※※第１１５話:Make Love(Climax�W).57

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　時間の感覚すら麻痺するほどで、ふたりは少しだけ離れて見つめあうと、

　ツ――…

　ナナのくちびるをゆびで撫で、薔は微笑みを投げ掛けた。

　「熱…冷ますだろ？」







　コクン…

　と頷いた彼女と、再びベッドへ重なって、

　「そしたら別の熱を、朝まで分けあえるな、」

　薔はクスッと笑ったため、ナナは否応なしに期待に疼いた。










　れろっ…

　肩の傷へと、舌を這わせる。


　「はぁ……」
　枕にあたまをもたせ、薔は熱い息をあげる。



　「痛くない…ですか？」
　いったんくちびるを離し、ナナは問いかけ、

　「ん…、大丈夫だ……」

　微笑んだ薔は左手の、ゆびの背で彼女の頬を撫でる。




　「でも、痛かったら、言ってください…」
　小さく告げたナナは、まるで猫のように彼の肩を舐めていきました。






　ペロッ…

　舌を這わせば、甘美な血の味が口内をとろけさせてしまう。


　「は……」

　エロティックな息づかいで、薔はナナの髪を撫でる。




　熱は下がりゆくなか、重なる体温は上昇して、

　「ナナ…」

　ふと、ちょっとだけからだを起こした薔が、耳もとで告げたのでした。

　「すげえ嬉しかった、ありがとな…」






　「あ…っ、」

　そのとき、ナナはかなり感じてしまい、

　くちゅっ…

　反った瞬間に、耳を舐められてまた感じ。



　「は…っ、」

　吐息を吹きかけ、耳からくちびるを離すと、

　「傷…消えたか？」

　そのまま薔は確かめてきた。







　「あっ、はい…」

　傷を癒す能力もだんだん高まっているのか、よくよく気づいてみますとキレイに消えておりましたので、

　「そうか、」

　グイ――――…

　腰を抱かれて今度はナナが、下になっちゃいました。






　覆い被さるようにして、片手で彼女の髪を整え、くちびるのすぐ上で薔は甘く囁いた。

　「なら今度は、おまえの熱がほしい…」

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