※※第115話:Make Love(ClimaxW).57







 「びぇ〜クシ!」

 晩酌の最中、大きなくしゃみをしたハリーは、

 「そういえバ〜、昨日〜、マサの大好きなおドッグさんガ、ワタクシを訪ねてやってまいりマシタ〜!」

 赤い鼻でWAHAHAと笑いながら、明かしてきた。




 「なんで呼んでくれないの!?昨日は土曜日だったよ!?」
 「マサはハニーサント〜、演歌聴いてましたカラ〜!」
 「あっ、相手がハニーなら仕方ないか!」
 ひどく残念がるナナ父は、すぐさま納得をしてから、

 「でも、花子ちゃんはハリーに何の用だったんだい?」

 目をぱちくり尋ねてきた。




 「OH〜、なんカ〜、おドッグさんにそっくりのキーホルダーニ〜、おまじないをかけてほしいと言っているような気がしましたノデ、かけて差し上げマシタ〜!」
 「それ僕も持ってるよぉ!」

 とまあこんな風に、わりと手軽なビールでふたりが盛り上がっておりますと、

 ででん!

 テーブルの上に、なんだかめっちゃ高級そうな日本酒が、置かれたのである。



 ゴク…

 息を呑む、ナナ父とハリー。




 そして腕を組む、ナナ母は力強く微笑みました。

 「今夜はご褒美よ。」





 「さすがだけどハニー、どういうこと!?」
 「さっそく飲みマース!」
 すぐに高級日本酒は、解禁となりまして、

 「でもご褒美なら、葛篭先生にお願いしたほうがよかったかしらね。」

 ご機嫌のナナ母は、バックグラウンドミュージックに演歌をかけながら、ポリポリとフランを頬張ったのでした。








 ……そう、

 この物語には只今、

 胡散臭いけど腕は確かな、

 エクソシストがおりますんで!
















 ――――――――…

 バン!

 彦一のもとへは、ある偉大な人物が訪ねてきた。




 「鎧さん!?わざわざ会いにきてくれたんですか!?」
 手下はほとんど帰ってまして、喜び勇んだ彦一は夕月へと駆け寄る。


 ところが、

 「おい、彦一、」

 それは厳格な雰囲気で、夕月は言い放ったのだ。

 「金輪際、お前の相談に俺は乗ってやんねぇぞ。」









 「ごめんなさーい!それだけは勘弁してくださーい!」
 「乗ってやっても聞かねんじゃ、意味ねえだろ。」


 ……彦一にとって、これは一番の大打撃となった。







 よってうなだれた彦一は、泣きながら“二度と余計なことはしません”という、誓約書まで書かされたんだとさ。


 ……これにていったんは、一件落着!

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