※※第110話:Make Love(&Sex aid).3







 ぎゅ…

 あまりにも心地よく抱きしめられながら、ナナは薔へとしがみついた。

 あったかくて、いい匂いがして、頼もしい腕のなかに、顔をうずめる。



 「思い起こせば、ずっと一緒にいたな…」
 薔はちょっと笑って、ナナのあたまを撫でた。





 ……それは、あなたがわたしのすべてを、

 掴んで離さないからだ。







 「これからもずっと、一緒にいような?」

 ちゅ…

 そう言って、薔は、ナナの髪にキスを落とした。







 「ずっと一緒に、います…」
 「ん、」

 ナナもふるえるくちびるで、でも想いのかぎりに応える。



 そして、

 「あの…、」
 「どーした?」

 ちょっとつよくしがみついて、恥ずかしいから胸に顔をうずめるようにして、ナナは小さくせがんだのでした。

 「き…、キス…して、ください……」

 と。







 「どんなキスがいい?」

 やさしく髪を撫で、薔は確かめる。


 「舌…入れて、すごくエッチなのが、いい…です……」
 恥じらいながらもナナは、なかなか大胆な要求でして、

 「それならお安い御用だ、」

 クスッと薔は笑うと、

 ぐいっ

 彼女の顎を強引に持ち上げ、やわらかなくちびるにキスを落としたのだった。

 チュ――――…










 くちゅっ…

 そして初っぱなから、ディープへと切り替わる。


 「ん…っ、ふ…っ、」
 すでに全身のちからが抜けているナナをつよく抱いて、音を立てながら薔は何度も舌を入れる。



 ちゅっ…ちゅぷっ…

 くちびるは濡れて、いやらしく絡まる舌が唾液の糸を引かせて、

 「は…っ、……っん、」

 甘く窒息寸前で、理性はとうにふっ飛んだ。




 ぎゅ…

 トップスは少し乱れて、上からそっとゆびが肌に食い込む。


 「ん――――――――…っ、」

 下半身はどんどん濡れてゆくのがわかって、えもいわれぬ快感からナナは思わず、

 「ぁ……んっ!」

 ビクンッ――――…

 キスだけでイっていた。





 「は…ぁっ、」

 ぐったりしたまま抱きしめられ、離されたくちびるからは唾液がツーと糸を引く。



 「これで満足か?」

 濡れたくちびるへそうっと舌を這わせ、薔が妖しく誘いますので、

 「や…っ、」

 ナナは泣きそうになって、さらにせがんでいたのでした。

 「キスだけじゃ…、や、です……、抱いて…ください……」

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