※※第110話:Make Love(&Sex aid).3







 『…え〜、続きまして黄色組は……』

 緑黄色歌合戦という、なんだかやたらベジタブルな歌合戦がテレビでは繰り広げられております。



 「おおお…!わたくしこの、黄色組を応援しているんですよ!」
 とりあえずは黄色組応援団らしいナナは(そもそも男女でわかれたりしてるのか?)、気合いを入れるためにお寿司を頬張った。


 「そうか、」
 至って落ち着いて返した薔は、さりげなく空になった彼女のお皿に色々乗せてます。


 そのとき、

 「う〜ん…、これ美味しいですね…」

 お寿司とかではなく、彼の手料理を美味しく戴いておるナナさんは、

 「薔はほんともう、お嫁さんになれるくらいですね!」

 と、感心のあまりよくわからない褒め方をしていた。







 「おまえが来んだろーが。」

 ちょっと呆れた薔は、特にどうということもなく当たり前のように返します。





 ……いいいい今、さらっとすんごい嬉しいこと言われたあああ!




 瞬く間に真っ赤っかになったナナでしたが、

 「はははいっ、それはもうっ、」

 わたわたしつつも、なんだかんだできちんと返事をしようとした。





 コロン…

 「あ、」
 「あ?」

 わたわたしすぎたため、何かが下に落っこちた。



 そして、

 「何やってんだ?」
 「おわわわあ!そんな、わたしが落としたんでわたしが拾いますよーっ!」
 ふたりしてテーブルの下に手を伸ばしたため、

 ゴチン

 あたまとあたまをぶっつけた。




 「……ってぇな、」
 「すみません…、なんかすごく幸せな気分になってるんですけど、ほんとすみません…」
 ナナはちょっと、謝る観点がずれているかもしれない。



 そんなこんなを、ふたりで繰り広げておりますと、

 ぱくっ

 花子が、証拠隠滅しちゃった。




 「あーっ!花子ちゃん!?」
 「ワンッ♪」
 ナナは花子を心配してますが、花子はけろりとしております。

 「お腹壊したらどうするの!?」
 「ワン!(※私そんなやわじゃないよ)」
 とか、今度は乙女たちが繰り広げておったのですが、

 …………はっ!

 としたナナと花子は、とある期待も込めてまえを見た。






 薔は声を押し殺し、笑っていた。





 拗ねてらっしゃらないけど可愛いじゃないの――――――――――っ!
 ※ワオ―――――――――――ン!






 「すみません!ちょっと、写真撮ってもいいですか!?」
 「あ?」
 「ワンッ♪」


 “今年の大晦日は、にぎやかですね♪”

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