※※第110話:Make Love(&Sex aid).3







 「…愛羅さんのお父さんお母さんて、大晦日にもお仕事なの?」
 彼女部屋にお邪魔している羚亜は、なんだか腑に落ちない様子で愛羅へと尋ねた。


 「うちはね、放任主義なの!」
 「そうなんだぁ、」

 とりあえず羚亜は、納得したようですが、

 「あたしね、羚亜くんがいるから、放任主義も悪くないなって、思うようになれたよ?」

 ふと、もじもじする愛羅がこんなことを言ってきたのである。




 「愛羅さん……」

 しみじみする、羚亜。




 そんでもって、

 「だからね、羚亜くん、」

 ちょっと上目遣いの愛羅は、

 ドサッ――――…

 彼氏を押し倒した。



 「年が変わる瞬間も、ひとつになってようね〜!」
 「うわあ!愛羅さん!?」


 ……これぞ、肉食系女子のなせるわざ!












 せっかくの年越しなんだから、いちばんに一緒にいたいひとと、それぞれ新しい年を迎えよう。


















 ――――――――…

 『…まさかとは思ったけど、ザザえもんてほんとうに女の子だったんだ。』
 博士が過去からよこした設計図を眺め、ピノ太くんは至極冷静に言いました。

 こちらは、“大晦日だよザザえもんスペシャル”なる番組でございます。



 『うん、ごめんね、ピノ太くん、おいら、女の子なんだ…』
 ようやく信じてもらえたザザえもんは、なんだかもじもじしだす。




 (ザザえも――――――ん!良かったねぇ!)
 ホロリとしながらテレビに食い入るナナを、花子がキョトンと見上げております。




 『ならさ、ザザえもん、一人称が“おいら”ってのはおかしくない?“あたし”とか“わたし”とかさ、それっぽいのにしてくれないと僕も困るんだけど、』
 『えぇっ!?そうなの!?』
 笑って諭すピノ太くんのまえ、跳び跳ねるザザえもん。


 『いっそ、“吾が輩”にしとく?』
 『ピノ太くんが言うなら、わがはいにする!』
 ……もはやそれは、女の子の域ではない。






 (もーう、ザザえもんは、大好きなピノ太くんさんの言う事なら何でも聞いちゃうんだよね!ほんといい子だよ、ザザえもんは!偉い!)
 とか、ひとのことを言えないようなことを考えながら、ナナは感涙にむせておる。





 よって、

 「おい、」

 突然、そら不機嫌そうな声が。

 「おまえはこの期に及んで、またソイツに泣かされてんのか?」






 ギクリとしたナナがそちらを見ると、薔は隣に座ってた。
 花子をなでなでしながらね。



 どぎゃあああ――――――――――っ!!

 あーっ、ぁーっ…(※エコー中も萌えてます)





 「泣いてません!わたくしは決して泣いてはおりません!あっ、目にゴミが入ったので泣いてただけでございます!」
 「どっちなんだよ、」

 手当たり次第に言い訳しても、見抜かれてるから降参しとき。

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