※※第91話:Make Love(&Bite).37
「……っ、ぁ…っ、」
今では薔がぐったりと、ソファの上で時折ふるえ声を上げている。
「ん……」
ナナは泣きながら、血液を吸い上げる。
飛び散る赤が、また痛いほどにいやらしく。
ふと、
カチャ――…
ナナの下で、薔はベルトへ手を掛けた。
ゴク…
昂る期待によってか、ナナは息を呑む。
「あ…っ、」
その瞬間に強く吸い上げてしまったようで、薔はくるしげに上擦った声を上げた。
「うわぁ!すみません!」
ナナは思わず、血に濡れたくちびるで顔を上げたのだけど、
スッ――…
掴まれた彼女の右手は、ソコへと滑り込まされたのだ。
「…っ、こっちは手でしろよ?」
ヌッ…ヌッ…
「ん…っ、んぅ…っ、」
ナナは首筋を舐めながら、エロティックな硬さを感じ無我夢中で手を動かしていた。
「はぁっ、はぁっ…」
薔は擦りきれた息を繰り返し、ソファの上で乱れている。
そして、
ヌプュッ…
やさしく亀頭を、ナナが撫でたため、
ぎゅっ…
一瞬、彼女の服をきつく掴んで、
「…っ、あっ…っ、」
薔が、堪えきれないみたいな声を上げたのです。
次の瞬間、
「ん…っ!」
びくんっ…
やっぱり、ナナがイけてしまった。
「……っ、おい、途中でやめんなよ、」
「すみませ…っ、」
求められ、すぐさま手を動かし始めたナナだったが、
「…ぁ、く…っ、」
薔は切なげに歯を食いしばるため、立て続けにイけてもおかしくはないほどだ。
ちゅっ…
もうすぐ傷口は塞がりそうで、赤く染まった素肌へは舌を這わせると、
「……っ、」
からだを反らし、薔はつよくナナを抱きしめた。
血の味はしなくなって、それでも肌へ舌を這わせながら鼓動すら伝わるくらいに手で扱いていると、
「…っあ、っ、」
薔にも限界がきてしまったようだ。
「…―――――――っっ!」
くちびるは赤いのだったが、手は白いので感じちゃいまして。
「はぁっ、はぁっ、」
ナナはおもむろにからだを起こし、ふたりして激しく息を響かせているなか、
「…そーいや、今日は鼻から、出さねぇのか?」
ほんのり赤いくちびるで、汗ばむ薔はちょっとイジワルに、笑った。
愛おしさで理性が吹っ飛ぶのには、また充分すぎたのか、
チュ――――…
かがみ込んだナナは彼のくちびるに、キスを落としたのだった。
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